さて、厳しいフライト訓練が続く中、舞は柏木の助けを借りながら、少しずつ習熟の度合いを深めていく。
何といっても、着陸の時の操作がうまくいかない。
そんな舞を見かねた柏木は、イメージトレーニングに付き合ってくれた。
舞は様々なことに慎重になるあまり、どうしても操作が遅くなること、さらには状況を判断する力にもやや問題があるような。
それは、舞が訓練する最中機内の後ろの席で待機していた柏木にとっては、手に取るようによくわかっていた。
そのことを補正するための訓練。
しかし、訓練中に新たな問題が勃発する。
今まで、パーフェクトを誇っていた柏木だが、ここへきて彼の仕上がりにほころびが。
最初の試験まで、あとわずかとなった日、その時の飛行訓練は、直前になって、空域を変える事態に陥った。
柏木ができると判断したことで、訓練は始まったのだが、その時、なんとあの柏木が迷子になってしまう。
パイロットは、基本的に、地上の景色や計器類などを見て自分がどこにいるかを常に把握する。
そこで自分の居場所を見失ったことになる。
柏木が初めてみせたミス。
自分自身の能力にも、操作にも絶対の自信を持っていたはずの彼は、大河内に指摘されて、操縦桿を握りながら激しく狼狽する。
今日は、そんな柏木と舞たちの切羽詰まったやりとりが描かれる。
目次
舞の現状
着陸がうまくいかないのにはそれなりの理由が。
飛行機を操作することももちろんだが、舞はどんなプランで機体をコントロールしていくかがあまりよくわかっていない。
舞は柏木の助けを得て、何とかイメージトレーニングで苦境を脱しようと。
イメージトレーニングはとても大切だよね。
よほど習熟している人間なら、いきなり何かがやってきても充分対応できるけど。
そのためには経験と考察と、自分自身への信頼感など、必要なものは山ほど。
それらのものを今身に付けながら目の前の課題をクリアするためには、その人なりの努力が必要不可欠に。
柏木が力を貸してくれたイメージトレーニングは、舞の経験値を飛躍的に向上させた。
飛行訓練あるある
フライト訓練がここまで厳しく制限されていることを、この物語を見るまでは理解できていなかった。
コースをあらかじめ決めたなら、飛行条件など様々な考察を繰り返して、自ら飛行可能かどうかを判断する。
そして、時たま起こることらしいが、突然の中止等もあるようだ。
もちろん、飛行条件が悪くて(気象など)中止になることもあるが、他の航空機との兼ね合いもあるので、さまざまに考慮しなければならないことがある。
今回は警察の方から連絡があったとのこと。
別な区域だと、さすがに舞や水嶋君は二の足を踏んでしまうが、柏木君は違ったね。
そこは予習済みなので大丈夫、行けます。
そうして始まった訓練だが、そこで問題が。
柏木の弱点
訓練中ずっと完璧を誇ってきた柏木。
しかし、彼は思い込みによって、現在位置を見失ってしまう。致命的な弱点が。
そして、実はそのこと自体はパイロットとしてそれほど重大なミスにはならない。
周りの意見をよく聞いて、自分の立ち位置をきちんと修正するだけのコミュニケーションが取れれば、何の問題もない。
今までの物語から見ても、柏木には致命的な弱点が。
自分を過信するあまり、上から目線で他人の意見に聞く耳を持たない。
なるほど、大河内教官は柏木の弱点をズバリと言い当てていた。
これは、決定的なダメ出しだっただろう。
今までエリートとして頑張ってきた柏木だったが、頭から全否定されたようなもの。
ここから彼はどんなふうに挽回するんだろう?
噛み合わない歯車
訓練を続けるうちに、メンバーたちそれぞれの様々な人間性が表面化。
水嶋君はいざ操縦桿を握ると、パニックになってまともに交信さえもできなくなる。
さらには、今は隣のチームになったが中澤君は奥さんとうまくいっていないような雰囲気。
仲間で様々な問題を共有しようとしても、それぞれプライベートなことになるとなかなか思い通りにはならない。
そんな中、舞は何とか柏木の力になってあげようと必死にアプローチを。
舞が何とか話を聞いてあげようとアプローチしても、取り付く島のない柏木。
彼が乗り越えなければならないのは、正しいコミュニケーションをきちんと取れるようになること。
物語の描き方として、柏木の求められた課題はとてつもなく複雑で難解。