こんねくとの最初の商品は、
パンチングアートのランプシェードを用いた照明器具。
評判も上々で、早速大手のインテリアメーカーが声をかけてくれることに。
今日描かれた物語は、声かけしてくれた大手インテリアメーカーとこんねくとではマーケティングに大きな差があって、その差を埋める事は叶わなかったと言う物語。
それは、出来上がった照明器具の値段についてのやりとりから発覚。
10,000円程度の設定で販売させてほしいとの申し入れ。
しかし、こんねくとでは諸々の経費などを考えると、30,000円以下の販売ではほとんど意味がないと返答。
そこからのやりとりが、少し専門的にはなるけど個人的に大いに納得できる内容だった。
大手メーカーの話では今回の照明器具の場合、ランプシェードのみを仙波さんの工場で制作。
その後の工程は中国に依頼して安く作る。
この時代、会社に勤めていた私にはここで絶句するほど納得。
私自身も生産工場に勤めていたので、値段は常に気になっていた。
私たち日本国内で作り上げる製品は、最低でもいくらの値段であると導き出される。
それに対して、同等の輸入製品は、なんと3分の1以下の値段で手に入ってしまうのだ。
これには恐いって、勝負も何も全く歯がたたないことを思い知らされた経験が。
同じものを並べられたら消費者はどちらを選ぶのか。
答えは火を見るより明らか。
今日の物語はそんな切ない事情を踏まえつつ、私自身もあの時代を生き残れなかった1人としていくつか考察してみたい。
目次
販売する値段の交渉
大手のメーカーの言い分では、パンチングの難しい部分だけは、仙波さんのところで、加工。
それ以外は中国に外注加工してもらうことで、大量生産もコストを大幅に下げることも可能だと。
3万円の値段設定では、簡単には売れないのではというのが瀧本さんの意見。
マーケティングではこういった事はしょっちゅう起こる。
販売するためにはどれだけコストを低く抑えられるかが課題になるが、広く行われているのがアウトソーシング。
いわゆる外注加工ってやつ。
専門の人たちが大量生産で作業することで、コストの大幅削減が見込めるのだ。
この時代、正確にはそれ以前から中国を始めとする諸外国の労働力は、コスト削減の格好の切り札とされていた。
日本に今ある大手のインテリアメーカーは外国に工場を持っている。
日本で作るよりは、ずっと安上がりで信頼できる品物が大量にできるので。
資本主義の競争社会では当たり前すぎる位ベタな理論。
今日描かれた物語では、提案を最初に持ち込んだ仙波さんの意見が優先されることに。
大手のメーカーに任せることで、自分のところの技術を広く大勢の人に知ってもらうことが可能。
つまり、こんねくとは試作品の生産までは請け負ったが、そっから先の一番おいしいところはよそに持っていかれるような話。
舞と御園の立ち位置の差
御園さんは今更、生産する場所を変えるなど不可能だと突っぱねたい気持ちがありあり。
しかし、舞は他ならぬ仙波さん自身が望んでいることだとして、こんねくとの利益を反故に。
1ヵ月間苦労してきた仕事は、全てフイになったようなもの。
試作品を作ってくれた我妻社長も呆れ返って怒ることもできなかったらしい。
仙波ん所だけが良い思いをしただけや😡
お人好しも大概にしとき😤
こんねくとは最後の生産販売の段階で見捨てられた格好になる。
御園は物語の中でもかなり憤慨していた様子。
こういった競争原理が働く世界では、誰がどれだけ利益を出せるかは極めて重要なので、はっきり言うと作る側の意見はあまり考慮されない傾向にあるだろう。
大手と、そうでない所の決定的な差はこの辺にある。
私も、木材会社で勤めていた時、似たような目に会ったことがある。
同じ製品を2つ並べて、片一方は10,000円、もう片方は3000円なら一体どちらを選ぶだろうか。
答えは言わずもがな。
私のいた木材会社では、この辺の仕組みに大いに苦しめられた。
ちなみに高い方が私のいた会社。
安いほうは中国製品。
値段が3分の1以下というのは事実で、そこから発生する悩みはキリがなかったとも言える。
ただし、中国製品にはちょっとした弱点があったのも事実。
私の会社の製品は注文があれば、数日以内に納品することができた。
中国製品はどんなに早くても1ヵ月以上は待たされた。
この隙間で商売をして何年間かは生き残れてきたと思っている。
信用
こんねくとに信用があれば、生産販売に至るまで全て自分たちで行うことができただろう。
舞とめぐみ社長の会話で、信用さえあれば私たちが全部手がけることができたと舞。
事情をよくわかった上でめぐみ社長が答えていた。
少しずつ積み重ねる以外に方法はあらへん。
信用を得るための努力は長い時間がかかるけど、失うのは一瞬なのも事実だけどね。
もし、不良品とかお客さんの気にそぐわないようなものを納品してしまえば、ほぼ許してはもらえない。
長い付き合いの所なら多少は考慮してくれるがその辺のミスを自ら犯した場合、挽回できないと考えるべき。
道子と佳晴
舞と御園がノーサイドで話をしている最中、なんと久留美の父佳晴が道子さんにプロポーズ。
これが驚くほど不器用なものの言い方で、あっさりフラれてしまう
かなり不器用なやりとりだったので、同じ男としても見ていて辛い。
この続きは、明日今週のエピソードが終了する形で描かれることになるだろう。
それにしても中年男女の出会いって難しいなと感慨深い。