週が変わった「らんまん」は、新しい登場人物も加わってさらにストーリーが展開。
万太郎は、植物学雑誌の刊行を目指し、日々奮闘努力を重ねていた。
寿恵子は鹿鳴館のダンス教室に通うためについに母親の了解を得ることになる。
それはほとんど事後承諾のような流れを受けて、まつが受け入れざるを得ない形で。
正直なところ、物語はこれ以上ないくらい丁寧に克明に描かれる。
明治時代、人々がどんな風な考えで生きてきたのかをそれぞれの役柄に基づいて詳しく語られていた。
興味深いのは寿恵子の家族。
母親のまつが職人の文太にこっそりと話していた。
娘は男にすがって生きるようなことだけはして欲しくない。
自分自身の運命を重ね合わせているような。
そんな中、万太郎は田邊教授につれられて高藤家の音楽会に。
お客さんは外人もかなりいたような。
元薩摩藩士の実業家高藤を演じる伊礼彼方は沖縄県出身の父親とチリ出身の母親との間に生まれ幼少期をアルゼンチンで過ごしたらしい。
間違いなくイケメンである。
そしてその顔立ちからなんとなく南米の人の面影も言われてみれば納得できる。
物語の進行速度がかなり遅いので、ストーリーを十分に把握することができるのがかなり便利だと思う。
目次
明治の女の行き方
寿恵子の母親まつと文太のやりとりが印象に残る。
まつは自分の生き方が不本意だと思っていたようだ。
芸者で見初められてお妾さんにはなってはみたけれど、やはり女が男にすがって生きるような生き方はしたくなかったと後悔があるようだ。
この時代の女性がもし子供を産むとなれば、今の時代と違って誰かの助けを借りなければ絶対に無理だろうなと思う。
つまり、子供の父親になる人物の助けが必要不可欠だと思われる。
寿恵子を産んだことでどうしても頼らざるを得なかったのが事実なんだろう。
娘に同じような生き方をしてほしくないと思うのがせめてもの親心。
その言葉に、文太が返していた。
娘さんは大丈夫。
女将さんと同じでしゃっきりしてる。
この言葉が何よりの励ましだったかもしれない。
好奇心旺盛な娘の事だから招待された家に行くことは間違いない。
その気になった娘をできることなら応援したい。
微妙な心のひだが絶妙に描かれていたと思う。
万太郎と倉木
かつてトランク盗難事件で2人の関係はぎくしゃくしたものになっていたはず。
しかし、植物学を真剣に探求する万太郎にとって倉木の案内は必要不可欠だったのだろう。
万太郎の心意気に少なからず賛同することになった倉木は、何度もあちこち駆け回ることに付き合ってくれていたようだ。
大学に行く前と帰ってきた後も食事をすることなく植物採集に勤しむ。
おそらく、そんな生活が最近ずっと続いていたようだ。
十徳長屋と植物学教室
十徳長屋の住民はいってみれば、全国各地から集まってきた人たちが一緒になったようなもの。
万太郎にとっては、その人たちが交わす会話の中からの植物に関係した情報がとても新鮮。
植物の分布は多岐にわたる。
道端の草から、野山の草木たち。
果ては水辺や水中に至るまで分布しているのだ。
そして、全国各地で同じ植物でも、呼び名が違うことだってあり得る。
それを考えると見ること聞くことが何もかも新鮮でいとおしいとさえ感じてしまう。
さらには、通い続ける東大の植物学教室。
ここで出会った田邊教授は西洋式の新たな植物学に熟知している。
その情報も何とかして自分の研究に取り入れたい。
万太郎にとっての人間関係は全て植物学に行き着く。
そして、今日のエピソードの中でそんな様子に納得しながらも不安を感じている竹雄の様子が印象的だった。
高藤家
高藤家に招かれた万太郎。
そこでびっくりするような出会いを果たす。
なんと憧れのマドンナ寿恵子が洋服を着て、目の前に!
お互いがびっくりして相手を確認する様子が描かれて。今日の物語はそこまで。
今週は今日がちょうど中間地点にあたる。
明日と明後日でエピソードが描かれて1段落するけれど、果たして万太郎と寿恵子がいつ一緒になれるのか、そのことだけが興味津々。
今日のエピソードで描かれていたのは、実業家高藤の横には奥さんとおぼしき女性が座っていた。
どうやら彼は結婚しているらしいのだが。
ここまで寿恵子に肩入れしているという事は、何がしかの魂胆があってのことだろう。
かなり鈍感な視聴者だって絶対に気がつくような。
これは、妾になることを絶対強要される!
それにしても物語はずいぶん丁寧に描かれるんだなぁと感慨深い。
ここからさらに待ち受ける展開は、NHKの公式発表を見ても、かなり複雑に入り組んでいるし、新しい登場人物もそれなりに準備されているらしい。
モデルの牧野富太郎博士ってかなりの武勇伝が今にも伝わるけど、その辺はどんな風に描かれるんだろう。