くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

らんまん 予想された齟齬

ここまで来るまでにずいぶん時間がかかった「らんまん」。

万太郎と寿恵子はやっとそれぞれの気持ちが通じることに。

いくつかのエピソードを交えながら、物語は様々な人たちのそれぞれの思いを描くことでついに待ち望んだ結果が得られる格好になった。

物語は寿恵子中心で描かれることに。

根津の白梅堂を訪れた佳代。

彼女が寿恵子を初めて確認することから、物語が進むことになる。

描き方は、寿恵子の洋装に見とれる佳代が父親に高藤家に輿入れする寿恵子のことを報告することで、ついに万太郎の釣書を白梅堂まで持参。

そして、今日1番の見所は、

高藤家で行われた鹿鳴館のダンスレッスンの発足式での様子。

白のドレスに身を包んだ寿恵子が高藤と華麗に踊ってみせる。

この場面でのやりとりが興味深く描かれていた。

男女が手を取り合ってダンスをするなど、この時代の日本人にとっては、あまりにも先進的すぎて、誰もまともに評価することなどできない。

ここには、物語を代表するおもだった登場人物が一言二言ながら、それぞれ感想を述べている部分がかなりユニークに描かれていた。

高藤の演説は、明治政府が富国強兵政策を採用して、欧米の後に続くのだと大演説。

実はこれが物語の核心部分だったかもしれない。

子供たちにユウガオの説明をする万太郎。

目次

お名前.com

白梅堂を訪れる佳代

女優としてあちこちからお声がかかる

そういえば、昨日思いっきり失恋しちゃったお佳代ちゃん。

さすが江戸っ子らしく自分の目で白梅堂のお寿恵ちゃんなる女性を確かめようとしていた。

物語上の若干のやり取りの後、初めて寿恵子をみてその美しさに圧倒される佳代

正直な私の感想を言わせてもらうと、この描き方は佳代にあまりに失礼だなと思ったね。

お互いの個性の差と言ってしまえばそれまでだが、寿恵子の美しさを際立たせるために別なそれほどでもない女性を引き合いに出すやり方は個人的にはちょっと不愉快さを感じた。

物語の流れだから仕方がないと言えばそれまでだけど。

義平社長 渾身の口上で万太郎の釣書を手渡す

佳代が印刷所に戻ってから状況を両親に説明。

わざわざ日付を選んで、社長自ら大安吉日の日に早朝日の出とともに白梅堂を訪れる。

物語の中では詳しくは語られなかったけれど、白梅堂でそれなりのやりとりがあったんだろうと思う。

とりあえずはこれで万太郎の寿恵子に対するアプローチが公に披露された。

高藤家にて

はじめてのダンス披露

高藤家では、ダンスレッスンの会の発足式が行われていた。

西洋風に言うなら、紳士淑女がいる前で高藤と寿恵子がダンスを披露してみせる。

これは今で言うところのデモンストレーション。

クララ先生に特訓をうける寿恵子

会場では弦楽四重奏と思われるたおやかな音楽が奏でられる中、そこには田邊教授の姿も。

高藤の様子とか、クララ先生、寿恵子を養女に迎えようとしている白川とかそれぞれが鎮座する中、華麗に踊ってみせる寿恵子と高藤。

踊りは、見事なものだったんだろうと思うが、中にいる人たちの胸の内は、それぞれバラバラだったと言う物語。

下世話ないやらしい目で女を物色する好色な男たち。

不機嫌そうな高藤の妻弥江たち女性陣。

見ているほうは、かなり面白くて、思わず笑ってしまうようなやりとりが続いていた。

高藤の演説の波紋

あなたは自分のすぐそばにいる女さえまともに見れていない

高藤の演説を聞いてみたが、決して誤ったことを発言したわけではなかった。

彼の言わんとするところは、日本が世界の国々に一等国として打って出るために必要なことをやろうとしている。

鹿鳴館で男女が優雅に踊って見せれば、日本の文化的レベルを評価して不平等条約改正ができるのではと。

この当時を題材にした大河ドラマ青天を衝けでも同じような場面は描かれていたと思う。

それぞれ足並みが揃っていなかった事は間違いないが、田邊教授が女性教育が必要だと語っていたことがかなりユニーク。

物事は男が上から目線で女性を見下していたことに全ての原因があるのだろう。

女性に教育を施して、男女ともに国に貢献する。

こんな考えだからうまくいかない🤣

高藤の妻弥江の痛烈な発言がそれを物語っていたと思う。

高藤は寿恵子に見事にフラれてしまうのだ。

寿恵子とクララ先生

私には好きな人がいる その人のもとへ行きます

高藤に自分の口でしっかりと絶縁宣言する寿恵子。

自分は高藤の妾にはならない。

そして、クララ先生に告げていた。

自分の思うままに生きる

好きな人がいる

その人の元へ行きます

これが、今週全体を通しても「らんまん」の真骨頂だったかも。

物語は、そのまま白いドレス姿の寿恵子が十徳長屋に赴いて万太郎に抱きつくシーンで来週につながった。

この手の物語を描くときに、どの部分を場面として表現してみせるかが大切になってくる。

物語は全体で見たときに、今ちょうど折り返し地点に差し掛かるところ。

どうやら来週の展開は、今日の場面から既にかなりの時間が経過したところが出発点になりそうだ。