久しぶりに帰ってきた高知佐川の峰屋。
万太郎にとっての掛け替えのないふるさと。
自分のやるべきことと、生涯の仲間を得て意気揚々と凱旋。
万太郎にとっては懐かしい顔ぶれや景色だが寿恵子には何もかもが真新しい。
そして、一緒に帰ってきた竹雄。
やっぱり、彼がイケメンな事は、東京以外でも全国共通だった。
峰屋は造石税課税で経営危機に陥っていた。
物語の冒頭では、この頃の明治のご時世もしっかり紹介されていたね。
明治10年に起きた西南の役が国家財政を著しく逼迫させた事実も、セリフのやり取りの中でしっかり紹介。
政府は租税改革がうまくいってなくて、取りやすいところから徴収するしかないことも物語の中で語られていたね。
実は、以前の大河ドラマ「青天を衝け」でこの頃の政府の様々な業務はあの渋沢栄一が関わっていたはずなんだけど、今振り返ってみてもお粗末だなぁと思わざるを得ない。
万太郎が連れてきた寿恵子はその可憐な出で立ちがすぐに周りの人たちの評判に。
そつなく挨拶する寿恵子。
江戸っ子らしく、ハキハキと受け答えできていた。
万太郎の家族や、峰屋の蔵人たちが歓迎してくれる中、万太郎たちが敬愛して止まない祖母
タキとも再会を果たす。
目次
明治政府
明治政府は、まだ国家として完全に成立できていたわけではない。
特に明治10年の西南の役で莫大な出費を強いられてしまった。
歴史に残る西郷隆盛の事件。
あの時、暴動を鎮圧するために政府は様々な物資を調達し現地に運び入れた。
その時の出費が莫大なものになったとあるから、大変な目にあったことが記録に残る。
仕事を請け負ったのは、確か三井財閥だと思った。
岩崎弥太郎率いるチーム。
彼は、渋沢栄一などとも交流があって、ある時へはライバルでもあり、その後は親戚付き合いにもなったと思う。
税金の徴収がうまくいかなくて、国家財政破綻の危機にも瀕していた。
手っ取り早いのが酒に関わる税金。
間違いなく徴収できて、予算が組みやすい。
しかし、この税法によって多くの造り酒屋が後戻りできないほどのダメージを被ったのも事実。
日本ではあまり大きく報道される事は無いが、間違いなく黒歴史の1つと言える。
峰屋
造石税になったことで、酒を仕込んだ段階で課税されてしまう。
売り切ってしまわなければ、蔵元としてやっていけなくなる可能性も。
在庫を抱えてしまえば、それに課税されてしまっているので自ら首を絞めることになる。
いわゆる古酒なども作ることができない。
それは在庫を抱える事なので、そんなことをすればいたずらにお金が出て行くだけ。
江戸時代の年貢の取り立てだって、ここまで厳しくはなかったよなと勝手に想像してみる。
綾は峰屋の経営に頭を悩ませる日々が続いたようだ。
そこまで追い詰められる事は、万太郎もうすうすは気がついていた。
東大の植物学教室の仲間藤丸君は同じ酒問屋をやっていて、造り酒屋の経営が大変な事が報告されていた。
再会
万太郎は帰ってくる早々、役人相手に正論で説明していた。
事情はよくわかるけど、ここは蔵元の言うことを信用してほしい。
不思議な説得力を発揮するのが、万太郎の持ち味。
どうやら、周りの人たちからも、おぼっちゃまの凱旋と言うことで受け入れられた。
竹雄の両親も峰屋で働いている。
久しぶりの親子の再会を果たしていた。
さて、懐かしい人たちが入れ代わり立ち代わりやってくる中で、世の中の大きな変化は、様々な人たちを巻き込んで大変な速さで進んでいくことになる。
明治は、とにかく忙しい時代だったと記憶。
国家としての形を確立しなければならないし、またいくつかの戦争もあった。
戦争は莫大な費用がかさむ。
時代の波とは言え、これを乗り越えなければ未来はありえない。
家族の絆
峰屋のおばあちゃんタキは体調不良で伏せっていたが、万太郎が帰ってきたことで家に伝わるしきたりを持ち出してきた。
嫁に入ってくるものは、その家の女主人とかるたの勝負をして勝たなければならない。
タキは万太郎が連れてきた寿恵子がどれほどのものなのかを押し図ろうとしていたようだ。
寿恵子は馬琴の大ファンで様々な書物を読むことにもたけていたと思う。
お互いががっぷり四つで、かるたの勝負。
今週のエピソードは、明日と明後日で完結することになるが、それほど心配することもないだろう。
万太郎と寿恵子は発表にあった通り一緒になるはずなので。
さて、佐川に戻った万太郎たちがどんな暮らしをするのか興味は尽きない。