らんまんが始まった頃、この物語の展開スピードが納得できなくて違和感を感じていた。
先週今週あたりのエピソードを見ていると、驚くべきリズム感があるように感じる。
ドラマの進む速さは歯切れの良さが際立って、それでいてディティールもしっかり描かれる。
今までの朝ドラなどでは感じなかった。不思議な驚きだと言える。
寿恵子は園子を失った悲しみがまだ癒えない中で次女千歳を出産。
母親としての務めをしっかり果たした。
夫婦が前向きに生きていく姿をしっかり見届けたまつもいよいよ夫のもとに帰ることになる。
物語は、一息つく間もないまま、次々と新しい事実が明るみに。
まず、ロシアのマキシモヴィッチ博士から手紙が届いたがこれは本人からのものではなかった。
博士の奥様からで万太郎が来ることを心待ちにしていた博士が肺炎で亡くなってしまったとのこと。
実は、これで乱太郎のロシア行きはリセットされたことになる。
今ある状況で頑張るしかない。
万太郎が心を切り替えたと同時に、佐川から綾と竹雄が上京してくる。
彼ら2人が持ってきた連絡は、驚くべきもの。
峰屋が暖簾を下ろしたことを報告。
万太郎と寿恵子にとっては寝耳に水の事実かもしれない。
久しぶりに再会した4人のやりとりがこれからのらんまんを暗示する。
目次
千歳の誕生
千歳ちゃんは6月に生まれた設定になってたね。
悲しみが癒える暇は無い。
時間の流れは、物語でも描かれた通り薬にはなるけど容赦ないのも事実。
このあと、まつは文太の元へ帰ることになる。
そういえばこんな時もあった。
万太郎や寿恵子の資金計画に一抹の不安を感じながらも、2人の結婚を快く承諾したまつと文太。
園子がなくなった頃から、千歳ちゃんが生まれて1段落するまでずっと付き添ってくれた母親まつ。
女優牧瀬里穂のふんわりしたイメージも印象的だったと思う。
マキシモヴィッチ博士の死
ロシアから届いた手紙。
物語の制作スタッフがこの物語にどれだけの思い入れを抱いているかが、今日のエピソードでなんとなく感じ取ることが。
郵便屋さんを演じていた、ジョイマン高木
物語全体があまりにも暗いので、こんなエピソードも必要だったかもしれない。
マキシモヴィッチ博士は万太郎と会えるの楽しみにしていたらしい。
しかし、肺炎で亡くなったとの知らせ。
同封されていたのは、植物標本に貼り付ける名札。
それが物語のエンジンになる。
万太郎は、マキシモヴィッチ博士と同じ様に自分も自らのコレクションを持つことを決意する。
東大に植物標本500点と目録を寄贈しなければならない。
しかし、ただでそのまま渡すのもどうかなと言う話。
それならば、自分自身のコレクションを寄贈する形にすれば、植物に対する識見はどこまでも万太郎所有と言うことになるだろう。
そのことが、万太郎にとっての心意気。
綾と竹雄
十徳長屋を訪ねてきた綾と竹雄。
2人は重大な決意を持ってここまでやってきた。
物語の通り、万太郎たちにも大きな不幸があって、峰屋も暖簾をおろす不幸に見舞われている。
お互い、苦しい事情を告白しなければならない。
思いがけなく切ない再会にはなったがこの4人の絆はこれからも続くことになる。
峰屋がたたまざるを得なかった理由は、先週のエピソードで詳しく報告させていただいた。
こちらは参考までに。
約束
万太郎と綾は高知に住んでいた頃、お互い約束したことがあった。
あの時万太郎は植物学の道に進むこと、綾は峰屋を継いで酒造りに励むこと。
それぞれ決心した道をこの先何があっても後悔しないと決意していたね。
それぞれの身に降りかかった、かつてないほどの不幸。
しかし、このまま終わるわけにはいかない。
それぞれ皆まだ若者なのだ。
どんな場合でも、あきらめない限り道が開けると思う。
万太郎は植物の名付け親としての活動を決してあきらめない。
自分自身の研究母体として、すべての標本を槙野コレクションとして所蔵する覚悟ができたようだ。
この写真の後に大量に束になっているのが植物標本。
これらが検定作業を行うときの重要な基準となるわけで。
この基準がなければ、検定作業は不可能になる。
日本では東大と博物館が所有しているが、万太郎は今回ブラック田辺に所有している標本と目録を寄贈しろと命令されていた。
明らかに理不尽な話だが、逆らって見たところでどうなるものでもない。
それよりも、自分が所有している植物に全て自分自身のラベルを添付して槙野コレクションとして渡す。
植物学者としての心意気。
しかしながら、自分で標本をこれからさらに作っていくとなると、場所も資金も想像もつかない位に必要になるはず。
モデルの牧野博士も多額の借金をしたと伝わっている。
らんまんはそんな様子も忠実に描かれるものと推察。
あと、何よりも仲間の協力がなければ1人で標本を作って検定作業をするなど無謀と言うもの。
その点でもこれからの展開が気がかり。