ブギウギは今週のエピソードが無事描き終わった。
スズ子は梅丸楽団員解散の後、大阪へ戻るように依頼される。
東京での活躍の場は失われたものの、梅丸にとってはスズ子が大スターであることに変わりは無い。
大阪の林部長の言い分もよく理解できる。
しかし、今までと同じようなステージが許されない状況では、果たしてどれだけのことができるのか。
時代は昭和15年も終わり、昭和16年の始まりの頃。
既に日本は太平洋戦争を始めるための準備を着々と進めていたはず。
12月8日に真珠湾攻撃を敢行する。
スズ子は自分がこの先どうすべきかを羽鳥善一に相談した。
歌う以外になすべき事は無い。
作曲家の答えは、単純明快。
そこで1枚の招待チケットを渡される。
それは茨田りつ子のリサイタル。
彼女は自らの楽団を率いて演奏活動をするようになっていた。
自分が生きるべき場所は自分が作るしかない。
理屈を言う前に歌手なんだから歌うしかないだろうと。
痛烈な一言は、スズ子を激しく目覚めさせる。
帰り道、伝蔵の屋台で酔いつぶれている父親を発見。
そこでこの間の父親の喧嘩騒動の顛末を知ることになる。
たまたま居合わせた2人の客がスズ子を馬鹿にしていたらしい。
梅吉は問答無用で喧嘩になったようだ。
父親の本当の気持ちを知ったスズ子。
母親ツヤをいまだに慕い続けている梅吉は、スズ子自身と全く同じだったことがあまりに切ない。
新たな決意が湧き上がるスズ子。
目次
事情の変わってしまった梅丸
梅丸楽劇団が解散した後、することもなく1人で過ごしていたスズ子。
歌い方 忘れてまう😨
舞台から遠ざかっては、さすがに焦りも出てくる。
梅丸は東京も大阪も警察の検閲が厳しく思い通りの舞台はできなくなっていた。
今週描かれた通りで、スズ子は三尺四方の枠内をはみ出してはいけない。
舞台狭しと動き回って歌うスタイルのスズ子にとって、それは持ち味の全てをむしりとってしまうようなもの。
お客さんはもちろんつまらないと思うだろうし、何よりもスズ子本人も不本意なことこの上ない。
東京も大阪もステージは必ず警察の監視がついていて、全く思い通りのことができないでいる。
その結果、東京では楽劇団が早々と解散せざるをえなくなっていたのだ。
しかし、大阪もやがてはそんなことになりそうな雰囲気。
羽鳥善一に求めたアドバイス
考えあぐねたスズ子が向かった先は、師匠の羽鳥善一の自宅。
自分が役目を果たすためにはどうすればいいのか。
善一の答えは単純明快だった。
歌う場所は東京でも大阪でも同じ。
君は歌うことしかできないだろう?
それを言われればスズ子には返す言葉もない。
歌う以外に逃れられる道はなさそうだと少しずつ納得し始める。
この頃、善一は食事も喉を通らないほど梅丸のことが心配だった。
本人は決してそんな素振りは見せないが、奥さんがスズ子に語ってくれた。
音楽を表現するものは何がどうあろうと自分の本文を離れては存在できない。
作曲家服部良一の歴史も被る。
茨田りつ子の覚悟
この頃、茨田りつ子は自らの楽団を率いてステージをこなしていた。
物語の中で描かれていたのは、小さなバーのような場所で3〜4人が座れるテーブルが10席ほどの会場。
ここで楽団の演奏をバックに自ら歌い上げる。
言わずと知れた淡谷のり子の人生も被ることになる。
淡谷のり子を調べると凄まじい武勇伝に驚きを隠せない。
彼女は東京音楽学校を首席で卒業するほどの大変な才媛。
ソプラノ歌手として確かな実力をもとに将来を期待されていたが、クラシックでは生活していけないことを理由に歌謡曲を歌うように。
もちろん山ほどの批判があったそうな。
しかし、彼女の出世作別れのブルースは淡谷のり子を一躍有名にするほどの大変な作品。
雰囲気を出すために一晩中タバコを吸い続けて喉をつぶしてレコーディングした。
ソプラノの音域をアルトにまで強制的に下げるようなことを自ら課した。
世の中に活躍する人たちはおよそストイックな人たちが多いと思うが、淡谷のり子もその典型。
物語で描かれた茨田りつ子はスズ子のの言い方に歯がゆさを感じたようだ。
ツベコベ理屈をこねる暇があったら自分で歌ってみろと。
スズ子はりつ子の底知れない覚悟に圧倒されながらも、自分が何をなすべきかうすうすと気がつき始めていた。
淡谷のり子の武勇伝は様々伝わるが、特に驚いたのは生活のためにヌードモデルもこなしたとあった。
それは家族を養うためにやむを得ず行ったことだと聞いている。
この時代を生きたアーティストとして、並々ならぬ決意覚悟が見て取れる。
スズ子の決意
スズ子は伝蔵の屋台で梅吉の喧嘩の本当の原因を知ることになる。
それは自分の娘を馬鹿にされた父親が思わずかっとなって仕掛けたもの。
自分は歌う以外に道はないと覚悟を決めたスズ子。
福来スズ子とその楽団
既に来週の予告編も紹介された。
本当に厳しいご時世だなと思い知らされる。
あの六郎にも何かとんでもないことが起こってしまったような。