ブギウギは気がついてみたら、今日か10週目が始まる。
スズ子は梅丸楽劇団解散の後を受けて、自らの楽団を出発させた。
楽団といっても、極々少数。
ドラム、キーボード、ギター、トランペット。
この4名にボーカルのスズ子が加わる。
「福来スズ子とその楽団」はこの他に敏腕マネージャーと称して、五木が全体を取り仕切ることに。
さらには先週から登場してきた福島出身の田舎の女の子
小林小夜が付き人として再び登場する。
物語は昭和16年設定。
この年は誰もが知る通り、年末には太平洋戦争が勃発。
新しく楽団を立ち上げてはみたものの、年の瀬が迫った頃になっても公演依頼は皆無で開店休業状態が続いていた。
今週から始まったエピソードでは、楽団が抱える心配と孤軍奮闘で努力するスズ子の様子。
そして再びスズ子の側で仕事をすることになった小夜の身の上話など物語は驚くほどのスピード感で描かれる。
そしてスズ子に大きく関わっている茨田りつ子のキャラクターがくっきり際立つ形に。
そんな中物語の最後で描かれた弟六郎の身の上に起こった衝撃の事実。
物語でははっきりとは語られなかったが、それが戦死報告である事は誰の目にも明らか。
目次
福来スズ子とその楽団
事務所といっても、一井の自宅を改装しただけで正式なものではない。
しかし、梅丸の所属で亡くなった以上は自らの才覚で頑張って運営するしかない。
楽団員は、一井が口コミで集めてくれたもの。
そして敏腕マネージャーと触れ込んだ五木は辛島が紹介してくれた。
福来スズ子の実力さえあればうまい具合に公演が打てて、経営が軌道に乗るものと予想されていたのだが。
現実はかなり厳しい状況で、簡単に仕事がもらえるような雰囲気ではない。
この時代、スズ子と同じように苦境に立たされていたのが茨田りつ子。
彼女にまつわるエピソードも詳しく描かれることになった。
警察から何を指摘されようが、自分のスタイルを絶対に投げようとしない。
どうやら彼女はモデルの淡谷のり子よろしく青森出身の設定のようだ。
青森弁で警察に激しく詰め寄る様子が彼女のキャラクターを的確に表現。
彼女自身も語っていたが、自分は
じょっぱり
それはスズ子も同じじゃなかろうかと。
楽団の活動はどうやら始まったばかりで、まだ結果には程遠いのかも。
小林小夜
この子が再び登場してくると概ね想像できたが、再びスズ子と関わるようになる。
再びスズ子のへやってきて、どうしてもそばに置いて欲しいと訴える。
困惑するスズ子だったがマネージャーの口沿いで付き人兼手伝いで側に置いてもらえることに。
追い出された後、女中奉公で働いていたが不景気の煽りがあって給料を払えないと追い出されてしまったようだ。
久しぶりにスズ子の下宿先で食べた食事は何度もおかわりするほどの食べっぷり。
今までまともな食事はできていなかったとのこと。
先週からの流れも受けているので、スズ子の父梅吉との絡みも描かれることになる。
梅吉は小夜を大いに気に入っていて、“六郎の嫁”に発言も飛び出していた。
今日の話題の中では亀にまつわる話が。
絶妙のやり取りでかなりユーモアたっぷりだが、その時描かれた内容は多分だが、六郎の戦死報告だったと思う。
ご時世……
この時代は、戦争一色で国民全体も耐乏生活が求められた。
ぜいたくなもの、さらにはアメリカやイギリスの文化に関係のあるものはことごとく排除されたと思う。
物語の中でも語られたが、スズ子は敵性音楽をやっているというレッテルを貼られていた。
何といってもジャズでスイングの女王(ブギの女王)となれば致し方ない事でもある。
この時スズ子も含めて五木は公演場所を探していた。
足を棒にして歩きまわっても引き受けてくれるところなどありはしない。
時代背景と言えばそれまでだが、この時代大勢の国民は素直に従っていたんだろうと思う。
国を主導する政治家たちは本当に責任重大。
国民の導き方を誤れば国が滅んでしまうので。
六郎が死んだ…😱
ブログを書く以上、私は様々なモデルとなった人たちの経緯を調べるのが常。
六郎のモデル亀井八郎は戦死するとあった。
今週のブギウギのサブタイトルは、大空の弟
これは服部良一が笠置シズ子の戦死した弟のために書き下ろした楽曲だと伝わる。
物語はおよそ楽しく愉快なことなどなさそう。
太平洋戦争に限らず、今も続く殺戮のストーリー。
人間はいつまでたっても戦争を止められないでいる。
物語は明日結果がわかると思うが、六郎の戦死が間違いなく報告されるものと思う。
と同時に活躍の場を封印されてしまったスズ子はこれからどんなふうに舞台を務められるのだろうか?
物語はいよいよ目が離せなくなってきた。