スズ子と愛助の2人の関係がいかほどのものか?
今週からいよいよ2人の関係がつぶさに描かれることになる。
愛助は結核なことが発覚。
それは以前から抱えていた持病で一旦は良くなったんだそうな。
もう治ったと思っていたところがここへ来て再発したとの設定。
物語を見ていて感じるのは、喀血するほどの症状だと病気はかなり進んでいると見ていい。
何かを諦めたような覚悟を決めた愛助に対して 何が何でもそばにいて世話をしようとする
スズ子。
2人の気持ちの入れようが、描かれた状況から克明に伝わってくるストーリー。
そして今日描かれた物語の中で1番の見所は村岡興業の坂口の反応。
坂口は当初2人の関係を問答無用で反対。
村山興業の跡取りとして妻になる人は相応の資格が必要だと考えていた。
少なくともスズ子には当てはまらないと考えていたようだ。
その彼が、スズ子の看病の様子を見て自らの感じ方を変えていく。
スズ子なら愛助のことを任せることができる。
今までいろんなやりとりがあったけど、今回のトラブルがあってスズ子の人となりがよく理解できた。
坂口はスズ子と愛助の身方ないしは良き理解者として、今後振る舞っていくのだろう。
深刻な内容を描きつつも大阪らしいユーモアもちりばめられていて、見ごたえ十分なブギウギ。
目次
愛助は結核が再発
医者から詳しい説明を受ける2人。
愛助はそれほど驚く様子もなく、再発してしまったか程度の受け止め方。
スズ子は結核がどんな病気か当然それなりの知識は持っていただろう。
ただごとではないと認識する。
医者の見立てでは特効薬がないので安静にして栄養のあるものを食べること。
それはおよそ治療法には程遠い。
食い下がるスズ子だが、この時代の結核は命に関わる重大な病気だった。
あと何年か待てば特効薬ができるけどこの段階では知る由もなかった。
ストレプトマイシンとかパスなど優秀な薬が世の中に出回るまであと数年の時間が必要だったと思う。
結核は結核菌によって感染する重篤な病気ではっきり言ってしまえば、人から人に感染する。
かなり昔からあった病気で、結核患者が出ると患者を隔離するのが普通だったと思う。
物語で描かれた通り、患者のすぐそばで甲斐甲斐しく看病するスズ子の様子は明らかに常識外れ。
それだけ彼女の愛情が深かったんだと解釈する。
スズ子の献身
スズ子は自分自身の体力も省みることなく、ひたすら愛助のそばで看病し続けた。
おそらくこのような看病をした人は、数多い中でそれなりにいたとは思うが、そのせいで同じ結核にかかってしまう人もいたように思う。
この病気は結核菌によって発病するが、結核菌のしぶとさは他の細菌をはるかに超えるものとあった。
とにかくしぶといんだそうな。
特効薬をひたすら投与して菌が根絶やしになるのを待つ。
物語の中では出番は少なかったが、小夜がスズ子に付き添っている様子が2人の健気さを象徴していたように思う。
今更だが、スズ子は愛助のためなら命すら差し出す覚悟。
恋人同士の2人のうち、どちらかが命を失うような事態になった時連れ添いのものはどんな反応ができるんだろう。
この物語は脚本として作られたものに違いないが、れっきとしたモデルがいるのだ。
笠置シズ子はほぼこの通りの経験をして青春時代を過ごしたと思う。
坂口の配慮
心配になって駆け込んできた坂口。
状況を見て、愛助が結核を再発させてしまったことを知ることになる。
最初はスズ子と小夜が連絡せずにいたことをののしるが、現場をつぶさに眺めてみて、2人に連絡するだけの余裕のなかったことを理解。
結核の特徴を考えれば、これだけ接近した状態で看病する事は、かなり危険を伴うはずにもかかわらず、スズ子は自分を顧みることなく献身的に愛助を看病し続けていた。
この時から坂口はスズ子に対する見方をがらりと変える。
スズ子なら安心して愛助を任せられる。
今まで敵だったものが身方になった瞬間。
村山トミにもわざわざそれとなく理由をつけて説明して、愛助の側にスズ子がいられるようにした。
物語がこの先どんなふうに進むか知っているので、この辺はちょっと切ないものがある。
愛助とスズ子❤️
2人がお互いの愛を確かめ合う瞬間。
調べてみたら笠置シズ子と吉本穎右は2人だけで過ごした時間はなかったようだが、一緒にいる時間は何ヶ月間かあったようだ。
この物語ではどうやら2人きりで過ごす家が見つかったような。
もちろんスズ子の付き人の小夜も一緒だろうけど、言葉を変えれば新婚生活を送れるようなもの。
2人は結婚の約束をしているので遠くない将来一緒になれると思ったのだろう。
愛助は以前と同じように結核は治らないまでも以前の時と同様日常生活を送れるくらいまで回復できると思い込んだようだ。
実際は違っただろうけどね。
さて、今週のエピソードは始まったばかり。
ここからが愛助にとってもスズ子にとっても正念場。