スズ子とタナケンの初舞台がいよいよ。
スズ子は悩んだあげく自分のありのままの姿こそ、最も自分を表現できると解釈。
驚くなかれ東京の舞台にもかかわらず、コテコテの大阪弁でセリフ回しを。
標準語で芝居をする周りのものの中でスズ子1人が大阪弁の演技。
これがいざ舞台が始まるとたまげるほど面白い。
会場は笑いの渦に包まれる。
そして、不安な中敢行された舞台は満員盛況でしかも大成功に終わる。
舞台が終わった後、タナケンは初めてスズ子に様々な感想をアドバイスとともに述べていた。
スズ子の演技はやはりピントがずれているとの事。
僕のモノとも違うけど、福来さんはそのままが良い
とタナケン。
君が舞台で演技を始めるとお客さんは瞬く間に引き込まれて君に注目する。
理屈は要らないのだ。
君の存在そのものが面白いので。
スズ子はタナケンが初めからそんなアドバイスをしてこなかったことの意味を初めて知ることになる。
演技のやり方は自ら工夫して作り出すしかないのだ。
誰かに教えてもらっても、所詮身に付くものではない。
自分で見つけ出す以外に方法は無いのだと。
そこには当然苦労が伴うが、それこそが舞台陣の醍醐味と言うもの。
物語の中では、サムと小夜との別れのシーンも。
そしてさらに次なるエピソードが紹介される。
なんと村山興業の社長のメッセージとしてスズ子と愛助はそろそろ結婚してはどうかとの打診。
びっくりするほどの嬉しい話だが、信じられない条件付き。
目次
舞台よ!踊れ!の初舞台
物語は、早々から舞台の様子がしっかり描かれた。
朝ドラのレベルでこれだけのセットを組んで、舞台上の演目を皆で表現するのは大変な作業だと言うことがよくわかる。
私が思うに、しっかりした台本と制作スタッフと役者たちの献身的な熱意がなければ、これだけのものを生み出すことはできない。
今日初めて趣里のボーカルでペコカチータを鑑賞。
YouTubeでは、笠置シズ子の音源が確認できていたが、今日テレビの放送で初めて見て南国風の楽しい曲だなと納得。
特にオリジナルの音源から現代風のアレンジが加えられたことで、古さを全く感じさせないのには恐れ入った。
音楽担当は服部良一のお孫さんだから血筋は争えない。
そして舞台の見せ場の1つとして、服装の早着替えがあったね。
おそらく全員で踊るシーンは概略の振り付けしかされていなかったと思う。
タナケンの演技などはほぼ全てアドリブだったのではと想像。
役者のポテンシャルがずば抜けてなければ、こんな事はできようはずもないよね。
タナケンとスズ子の名コンビ
2人の控え室でのやりとりも心温まる内容だった。
演技のポイントがずれている事は初めから指摘されていたことだが、そこを面白さに結びつけるタナケンの演出力もさすが。
喜劇役者は、思いがけない面白さをとても大切にする。
自分の反応に自信がなければ、到底承服できることではないが、タナケンは自分自身のポリシーに自信を持っていたんだと思う。
自分なら相手に合わせてより面白いものを生み出すことができる。
その通りの結果になった。
ブギウギではタナケンとの関係がいつまで続くのかはっきり示されてはいないが、少しの間は何作品か舞台を演じるものと思う。
スズ子にはこれから重大な事件が目白押しとなる。
と同時にタナケンにも彼の人生を左右するほどのアクシデントが襲うことになるのだ。
小夜とサムの旅立ち
今週ずっと大切に描かれてきたサムと小夜の物語。
2人は結婚を誓いあって、アメリカに行くことになった。
小夜はスズ子の家族として共に暮らしたと語っていたね。
サムは小夜の家族としてスズ子や愛助を捉えていた。
小夜は蓋を開けてみれば、愛助やスズ子より先に結婚したことになる。
村山興業社長秘書室室長のメッセージ
今日の最後に登場したエピソードは、いよいよ愛助とスズ子の結婚についての物語。
既に同棲を始めて2年ほど。
年頃の男女が結婚することもなく、そのまま暮らし続けるのではあまりに体裁が悪いとのことで、そろそろ結婚してはとの申し入れ。
愛助もスズ子も結婚を認めてもらえたと大喜びするのだが。
ここで示されたのが極めて重大な条件。
福来スズ子さんは歌手を辞めていただく。
上の空で聞いていたスズ子が頷きながらも、思わず重大な条件に色を失ってしまう様子がユーモアたっぷりに描かれた。
モデルとなっ笠置シズ子も吉本穎右との結婚を真剣に受け止めて、歌手を辞める決意をしたと述懐していたね。
しかし、既にあちこち調べ回った我々はこの後、愛助に何が起こるかよく知っているのだ。
彼はこの後結核が再発して、それが元で命を落とす。
スズ子はその時妊娠していることに気がつく。
愛助は自分の子供が生まれる10日ほど前に息を引き取るはず。
これだけの険しい現実が実は史実だという。
ブギウギがドラマチックなのはここへ来て頂点に達する。