ブギウギは佳境に入ってきた。
この物語のモデルは笠置シズ子の奮闘記。
主人公スズ子に関わる様々な人たちとの関わりが詳しく描かれる。
さて、自前の楽団を解散してフリーになったスズ子には別れと新たな出会いが同時進行でやってくる。
先週から続いていた付き人小夜との関わりはここへ来て結論を迎えることになった。
小夜と一緒にいた米兵サムは実は恋人同士ということで。
小夜はその事実をヒタ隠しに隠していたが、それがすっかり露呈してしまう。
さらにはサムがアメリカに帰るとのことで“捨てられる”と思った小夜が1度は別れたはずのスズ子のもとへやってきて、恋人に捨てられたと泣きじゃくる。
実際は小夜の早とちりでサムは真心を込めて小夜にプロポーズ。
びっくりするような物語だが、当時そのような米兵と日本女性との恋物語は全国にあったらしい。
小夜はサムのプロポーズを受け入れアメリカに渡ることになった。
演じている富田望生が自分のSNSで一旦これで物語から退場との報告を。
そして、スズ子は喜劇王タナケンと舞台を共演することに。
歌手をやりながら、新たなオファーに応える形で新境地に挑戦。
結果は素晴らしかったものの、スズ子は途中かつてないほどの苦しみを味わうことになる。
それは、新たな挑戦で自分の持ち味を活かしきれなくなった時、どうしても自分らしさを貫きたいと考えたこと。
福来スズ子にとって新しい世界が切り開かれた瞬間でもあった。
目次
小夜の物語
物語の設定は、昭和21年4月。
終戦からまだ1年が経っていない頃、日本に進駐してきたアメリカ軍の若い兵士と日本女性が恋に落ちる話は全国にあったようだ。
小夜は米兵サムと恋仲になるまでそれほどの時間はかからなかったが、彼女は過去の失敗もあったりして事実をひた隠しにしていた。
早とちりだったがプロポーズされたことで小夜は一緒にアメリカに行くことを決意する。
スズ子とはここで一旦別れることに。
このエピソードを描いたとき、愛助が流暢な英語でサムと会話していたこと。
彼の語学力がスズ子の誤解を解くことに貢献したね。
サムと小夜のエピソード。これで一旦完了となるようだ。
福来スズ子とタナケン
スズ子はタナケンに自分流にやらせてもらうと宣言。
それは首を覚悟の悲壮なものだった。
タナケンはスズ子の決意を評価。
さらにはスズ子の役者としての可能性を引き出したばかりか、これからの役者人生にも的確なアドバイスを。
自分流で舞台に立てばそれだけで面白い
君の面白さは天性のもの
これ以上ないぐらいの褒め言葉。
おそらくタナケンとはこれからも何作品か一緒に取り組むことになるはず。
新境地開拓
役者として舞台に立ちながらその途中で歌が入るのはいわゆるミュージカル。
タナケンのモデル「エノケン」の古い映像を見ると即興も含めて彼は至るところで歌を歌っていた。
即興に近いものも含めて今でも見れば必ず笑えるような内容。
ブギウギで描かれたタナケンとスズ子はメインとなる歌を中心に置きながら、2人の男女のコメディアンが噛み合わないセリフで見事に面白さを追求。
タナケンの読み通り、舞台は大成功に。
ブギウギは綿密な演出を持って舞台の様子を丁寧に描いている。
朝ドラながらこれだけ大掛かりな演出は俳優も含めてそれぞれが100%以上の力を出さなければ無理だっただろう。
スタッフや役者たちの熱意がのずと伝わってくると言うもの。
次に来るべき物語
既に来週の物語は予告編として明らかになっている。
なんと愛助は今まで治っていたはずの結核が再発してしまうのだ。
これが愛助とスズ子の2人の人生を大きく狂わせるきっかけとなる。
史実では愛助のモデル吉本穎右は1年も経たずに他界してしまう。
そしてさらに一緒に暮らしていた笠置は妊娠していることに気がつく。
穎右は自分の子供が生まれる10日ほど前にこの世を去ってしまうのだ。
ブギウギはモデルの人生を克明になぞってきているので、おそらく同じような描かれ方をするはず。
そこには中途半端な感想など入れられる余地もない。
今更だが、今も昔もどんな境遇の人でも健康であることがある意味「誉」のようなものだと考える。
人は健康でなくなれば本来の力も発揮できないだろうし、どんなに素晴らしいものが手に入ったとしても、その値打ちを満喫することにはならないはず。
スズ子はこれからどんなことがやってくるのかまだ物語上ではわかっていない。
番組の公式発表では、スズ子の妊娠に関わるキャラクターも既に登場してきている。
そして、ブギウギが最初に始まったときのエピソードでは、スズ子が自分の子供をあやしながら舞台に向かうときの様子が描かれていた。
来週はそこに至るまでの切ない物語が展開する。