ブギウギにとって最大の見せ場とも言うべき1週間。
物語はモデルとなった笠置シズ子の人生をそのまま踏襲する形で描かれた。
彼女は9歳年下の吉本興業の跡取り吉本穎右と恋仲になって、子供も1人設けることに。
ブギウギのスズ子も同じように村山興業の後取り愛助との間に女の子を1人設けることに。
誰もが知っていることだが父親となるべき愛助は子供の顔を見ることなく、この世を去ることになる。
もともと体が弱かったこともあったが、結核を何度も再発させてそのせいで命を落としたとされる。
スズ子は妊娠6ヶ月でジャズカルメンの舞台を大成功させた。
しかし、愛助からの手紙では少しずつ良くなっているとの報告ばかりで実際は違っていた。
スズ子に心配をかけまいとする愛助は数ヶ月にわたって嘘の手紙と葉書を送り続けていた。
スズ子は女児を産んだその後に愛助の死を知ることになる。
残酷な運命と言ってしまえばそれまでだがスズ子は放心状態。
周りのものも思わず言葉を失うほどの衝撃を受けていることが推察できた。
今週は物語の中でもスズ子の出産と愛助の息を引き取るときの様子が最も衝撃的だっただろう。
愛助を子供の頃から見守ってきた村山興業の社員たちを始め、愛助の母トミにとっても拷問とも言うべき運命にさいなまれることになる。
目次
ジャズカルメンの成功
妊娠6ヶ月の安定期と言うこともあったが、無事舞台を務め上げることができてほっとしているスタッフたち。
物語のためにわざわざ大掛かりなセットを用意してしかも曲も準備万端で趣里に歌わせる。
舞台の成功はスズ子にとって安心材料にはなったが、気がかりなことがなくなったわけではなかった。
それは手紙や葉書で必ず駆けつけるからと言っていた愛助がついに舞台に間に合わなかったこと。
ジャズカルメン見たさに興奮したあまり風邪をこじらせてしまったと見えすいた弁解。
しかし、ジャズカルメンは昭和22年の1月2月の話。
3ヶ月経った5月になっても愛助からは詳しい説明も何もなかった。
スズ子は大阪行きも考えたが出産予定日まであと10日足らずに迫っていたので、医者が許可するはずもなく。
気がかりな事はそのまま持ち越されることに。
愛助の臨終
物語の今週のピークに位置すると思われたのがこのシーンだったはず。
愛助を演じている水上恒司は演技に集中するあまり、周りのものが気を遣って声すらかけられないほどのナーバスさだったようだ。
物語の中では生まれてきた子供と愛助、スズ子が楽しそうに過ごす様子も。
愛助の服装にも注目したい。
スズ子はたった1人で出産に臨んでいた。
その時ベッドの脇で握り締めていたのが愛助の丹前。
実は映像の中でこの丹前を愛助が着ていると言うのがミソ。
ドラマとしてストーリーを展開するときに印象的なアイテムがそのまま利用されるのは見ている者を大いに納得させたはず。
ドラマをしっかりと見ていなければ見逃してしまうようなシーンだったかもしれないが、制作スタッフたちのこだわりを感じる。
スズ子の出産
スズ子の出産のとき、愛助は危篤に陥っていた。
実はスズ子が病院に担ぎ込まれた時付き添っていたのが坂口と山下。
彼ら2人は愛助の病状を説明するためにスズ子のもとへ。
物語の中では説明できずにそのまま産院まで駆け込むことになった。
スズ子と愛助は手紙と書きでのやりとりだったが、村山興業の社員たちはしっかりと電話で連絡を取り合っていたね。
坂口と秘書室長矢崎はリアルタイムの情報交換ができていた。
スズ子は無事女の子を出産する。
物語の流れにも全く違和感は感じなかった。
お産がずいぶん軽く済んだなぁって印象ぐらい。
まとめ
子供が生まれる前後に愛助は息を引き取ったと思われる。
坂口は矢崎からの電話でその事実を知らされた。
モデルの笠置シズ子は出産直前に吉本穎右の死を知らされたらしい。
不安な中で出産に臨んだと本人の自伝の中にも記されている。
スズ子は愛助の死を知らされた後放心状態が続いた。
最初につぶやいた言葉が
死にたい…。
山下がすぐに反応する。
ボンの分まで長生きせなあきまへん!
物語はベタな作りになってはいたが、しっかりした説得力を持って伝わったと思う。
スズ子は未婚の母として芸能活動を続けることになる。
既に来週の予告編もあちこちで発表されているが、いよいよ笠置シズ子の大ヒット曲
東京ブギウギがお目見えすることになる。
その後もヒット曲は続き笠置シズ子は東京に大邸宅を建立。
お手伝いさんを雇い、長者番付にも名を連ねるほどの高額所得者として世の中に知られることになる。
さらには一旦は土佐に帰ったはずの父親梅吉が再び登場。
そして愛助の母トミも再び物語に登場していた。
スズ子の物語は新たな展開へとさらに突き進む。