先週の衝撃的な最後から1週間開けると物語は新たな領域へ。
スズ子は愛子の子育てに孤軍奮闘していた。
今も昔も生まれたばかりの子供のお世話は大変極まりない。
子供は泣くことでしかメッセージを発信しないので、鳴き声を聞くたびに世話するものはその都度何を求めているのかを思案することになる。
さらには授乳が大変な労力で3時間おきに飲ませる必要が。
その他にオムツを替えたり抱っこしたりで大抵母親はこの時期眠不足に。
描かれた物語では1人で子育てするスズ子に何人かの訪問者が現れる。
その中でもとりわけ愛助の母トミの訪問。
15分の枠ながら長い時間をかけて、2人のやりとりが丁寧に描かれた。
愛子の祖母であり、スズ子は愛子の実の母になる。
世間的には嫁と姑女との関係になるだろうか。
穏やかながらも本音で語り合う2人。
愛子を引き取りたいと申し入れするトミにこの子は私が育てるときっぱり宣言するスズ子。
この後のやり取りが1番の見所。
どうしてもあかんくなったら助けてください
とスズ子。
潔さの点でこれ以上の好感を持てないほどの素晴らしいセリフ。
当たり前や 孫やで。
トミのセリフにも実感がこもる。
そしてスズ子は歌手活動を再開させるための様々な条件が整いつつあることを感じ始めるのだ。
それほどたくさんの登場人物があったわけではないが、15分の中で伝えるべきメッセージはしっかりと受け止めることができた。
目次
出産から3ヶ月子育て奮闘記
物語の設定では、ちょうど夏の暑い時期に当たるだろうか。
昭和22年の9月ごろと思われる。
スズ子は愛子の子育てに毎日追われる。
子供を育てた者でなければわからないが、大抵の家族は皆睡眠不足になるようだ。
3ヶ月と言えば、まだまだ血飲み子真っ盛り。
ほとんどの場合、この時期は母乳で育てていると思われる。
最初の母乳が母親から子供への免疫移譲の役割があると聞いた。
スズ子は世の中の母親が皆そうなように睡眠不足で自分の時間などまるで持てないでいた。
そろそろ仕事のオファー
マネージャーの山下が訪ねてくる。
そろそろ仕事をすることを考えませんかとの事。
戦後2年目で世の中はまだ混乱期だったが、芸能活動もそろそろあちこちでオファーが出始める頃。
昭和22年の夏、山下はスズ子のところで自分の正直な気持ちを伝えていた。
なくなったボンにスズ子と愛子の面倒を見続けると約束した。
これからのことを考えれば、そろそろ仕事を再開してもいいのかなと。
特に福来スズ子の歌を待っているお客さんは多い。
そろそろ準備を始めるべきではないかと。
モデルの笠置シズ子は戦後特に大活躍したことで知られる。
作曲家の服部良一もこの頃超売れっ子作曲家で引く手あまただった。
愛子の子育てでまるで自由のないスズ子だったが、元々歌う事は大好きな性格。
さらに愛助の遺言で、辛く感じた時は愛子を見て歌ってほしいと。
スズ子が歌手活動を再開するのは時間の問題だと思われた。
村山トミとスズ子
トミはわざわざ社員を従えてスズ子と愛子を尋ねてくる。
愛子は自分の息子愛助の忘れがたみ。
できれば自分が引き取って育てたいと考えたようだ。
ただし、おそらく母親のスズ子が断ることも容易に想像できていた。
トミ自身も若い頃、女手1つで子育てをした経験が。
その頃のアドバイスも交えながらスズ子と談笑
2人の意見交換が驚くほどの清々しさで迫ってくる。
お互いそれぞれ別々の道を歩みながらもきちんと受け止めることができていた。
トミもスズ子もなんとなく似たもの同士な気がする。
それぞれ存在感のある女優同士。
お互い関西弁が驚くほど場面に合っている。
新しい事実も判明した。
トミは福来スズ子の大ファンらしい。
もちろん評価するのは歌だけだと断ってはいたが。
この2人はこう言っちゃなんだが戦友そのものかもしれない。
愛助は物語から退場する
愛助を演じた水上恒司はどうやらすべての撮影が終わったらしい。
これから登場することがあれば、それらは全て回想シーンと言うことになるだろう。
節分の豆まき行事であちこちにお声がかかっている様子もアップされていた。
福来スズ子の芸能活動は、これからが本番になりそう。
あの名曲東京ブギウギはこれから登場することになる。
物語は新しいステージへ1歩踏み出したことになる。