スズ子はいよいよアメリカに出かけることになった。
歌手としてさらなる飛躍と成長を求めて。
しかし、アメリカには愛子を連れて行くことができない。
母親として切ない思いを抱きつつも何とか娘の説得を試みるが、幼い愛子に伝わるはずもなく。
スズ子は渡米する前にお別れコンサートと称して、普段応援してくれる人たちの前で歌を披露することに。
そこには知り合って久しいおミネたちの姿も。
観客席の楽しげな様子も物語の中で描かれてはいたが、愛子だけは幼いながらぶ然とした表情。
母親との4ヶ月間のお別れがどうしても受け入れられない。
アメリカ行きの当日、愛子と別れをかわそうとするスズ子だったが硬くな愛子の心を解きほぐすことにはならなかった。
愛子の辛さもよく伝わってきたが、何よりも母親のスズ子の後ろ髪引かれる思いが物語の1番の見所になっていたかも。
物語の設定では3歳になったばかりの愛子。
理屈を納得させるのは無理と言うもの。
それでもスズ子は自分に与えられたチャンスをどうしても活かしたい。
泣き叫ぶ愛子をそのまま置き去りにしてアメリカに行くのは、スズ子にとっても厳しく辛い時間。
さて物語は少し時間が経って、スズ子は留守の間に家が新築されたことになる。
引っ越しで愛子と大野さんは新居へ。
うまく作り上げられた物語は2人だけの世帯に羽鳥善一の家族が訪ねてくる。
ケーキの差し入れを携えて。
アメリカでの滞在もいよいよ最終日となったスズ子。
愛子とスズ子の再会の日は近い。
目次
福来スズ子のお別れステージ
スズ子がアメリカに渡る直前、お別れコンサートが開催される。
そこにはおミネをはじめ、少し前から知り合いだった娼婦たちがたくさん。
スズ子は職業で人を差別することをしなかった。
モデルの笠置シズ子と同じ。
生きるために一生懸命な人たちを軽はずみに批評することはできない。
娼婦たちは、ステージのチケットをおおよそ半分ほども購入していたと伝わる。
ステージや大勢の観客たちの楽しげな様子とは裏腹に1人寂しく座る愛子。
母親と離れ離れになることがどうしても納得できない。
物語の設定では愛子は3歳なので、複雑な事情はあまり理解できないとは思うが、脚本上愛子はある程度の分別がつくような設定になっている。
母親が歌手な事は理解しているようだが、なぜ離れ離れになるのかは未だに納得できない。
離れるのは嫌や😭
どうやらスズ子の事情を理解することにはならないみたい。
愛子とスズ子
スズ子は常に愛子と一緒に過ごしてきた。
今回はたまたま数ヶ月間離れ離れにならなければならない。
スズ子にとっては愛子が1番。
しかし同時に歌手福来スズ子としての活動が彼女にとって使命のようなもの。
子育てと仕事が両立するかどうかの瀬戸際にいるとも言える。
今も昔も同じで、子供を保育園などに預けて働く母親は多い。
働いている母親が1番緊張する電話が保育園からのもの。
大抵の場合、子供が熱を出したとか怪我をしたとか緊急の場合のことが多いらしいのだ。
そうすると仕事をそっちのけで駆けつける必要が。
子育てと仕事の両立の難しさは、置かれた状況によってそれぞれ違ってくるが、簡単な問題でないことだけは確か。
物語の時代背景を見ると戦後すぐに相当するので、ほとんど参考になるような事例もなかったと思う。
スズ子は愛子が仮に納得しなくてもアメリカ行きを諦める事は考えていないようだ。
スズ子が留守の新居
物語の設定では、スズ子がアメリカに行っている間に新居が完成したとのこと。
昭和26年の1月頃と思われる。
笠置シズ子は同じようにこの頃新居を手に入れている。
世田谷区玄巻に土地300坪、平屋40坪の邸宅を購入。
建物以外の敷地は全て花畑にして、周りからは笠置ガーデンと呼ばれたようだ。
いろいろ調べてみたが、この頃の笠置の年収はおよそ200万円だったと聞く。
当時の総理大臣が年収48万円の頃。
物語ではほとんど感じ取ることができないが、福来スズ子はびっくりするぐらい稼いでいたことが事実。
スズ子の家庭を心配していたのが、羽鳥善一の家族たち。
みんなで食べているのが当時からあったバターケーキ。
生クリームではないので、風味は今のものとは少し違うのかも。
私などの幼い頃、クリスマスケーキはこれらのバターケーキが主流だったと思う。
ケーキを食べて、たくさんの人に囲まれて愛子は多少なりとも機嫌が直ったのかも。
母親と離れ離れになることがどれだけ苦痛だったことか。
スズ子の帰還
物語はてきぱき進んでスズ子はアメリカから帰ってくることに。
ドラマの中で語られていた。
アメリカにはおいしいライスカレーがない。
中華そばもない。
何よりも愛子がおらん。
アメリカで得ることもあっただろうが、日本での暮らしの方がはるかに良いと思えるスズ子。
今週は盛りだくさんな展開になるので、明日は既に日本に帰ってからのストーリーになるはず。