昨日の相撲を見ていて、最後の何番か“立行司式守伊之助”の厳しいこと。
立行司は実は、非常に責任が重くて、差し違えなど絶対に許されないとされる。
立行司の装束は他の行司と決定的に違うのは懐に脇差しを挿していること。
実はこれは、差し違えたときには切腹をして罪を償う意味がある。
立行司はその意味でとても重い役目を担うのだが。
目次
伊之助担当の相撲は立合いが驚くほど厳しく
今場所の式守伊之助には受難が続く 。
6日目の相撲だが玉鷲対栃ノ心の 1番で差し違えをしているのだ。
素人目にも明らかな間違い。
それがこちら。
相撲の1番の見所は立ち合いの一瞬にあると言える。
ここで行司は軍配を返し、後戻りのできない勝負が始まることを見届ける役目が。
さて、仕切り線で向かい合った両力士は立ち会う前に必ず両手の握りこぶしを土俵につけなければいけない。
両力士がきちんと握りこぶしがついた段階で相撲は“初めてよろしい”となる。
これは相撲を見ている人はよくわかるが、“手つき”と言って、取り組み前の絶対に外せない約束事。
行司もこの辺のところを厳しく見張っていて、きちんと所作がなされなければ、 相撲を一旦止めてやり直しをさせる権利がある。
もちろん土俵下で座っている審判たちにも同様の権限が与えられているが、普通は1番手元で見ている行司がその役目を果たす。
この場合、“手つき不十分”と言ってやり直しを命じる。
今場所の伊之助はこの辺が特に厳しい。
差し違えをしてからよりピリピリしている感がある。
6日目の差し違えの後、伊之助は協会理事長の八角親方のところに出向いて謝罪したと聞いている。
本来、差し違えれば切腹との決まりだが、そこまでことはありえない。
しかしながら、謝罪の挨拶は必ずなされるようだ。
場合によっては、“進退伺い”となる場合もあるのだ。
そのぐらい厳しく厳格に取り決めを守る。
この昔からのしきたりが相撲人気の元になっているのかも。
御嶽海対栃ノ心
この相撲は一方的だった。
実はこうして何度も相撲を止められれば力士たちのモチベーションは全くもって維持できない。
勝った御嶽海もインタビューの中で“後味が悪い”と言っていた。
負けた栃ノ心も“きちんと手はついていたぞ”と憤懣やるかたない様子。
見た目の判断なので、なかなか厳しいと言えば厳しい。
昔の相撲
何十年も前の相撲をちょっと見ていただこう。
見てわかるとおりに、手なんかまともについていません。
この時代は大鵬柏戸の頃。
多分50年以上前。
私が 10歳になるかならないかの頃。
それから連綿と続く相撲だが、途中何度か厳しいルールの見直しがあって現在のように。
昔の時の人気力士の姿を見ても、今の相撲取りもはるかに痩せているよね。
2人ともせいぜい100キロそこそこ。
これで決して大きすぎると言う事でもなかったし、小さな力士でもなかった。
今の相撲に、この時代のものを求めるのは無理と言うものだが、相撲の精神だけは変えずに残してほしいと常々思う 。
優勝予想
この2人が優勝候補の筆頭と言える。
2人とも2敗3敗でほぼ互角。
相撲内容から考えても、1番安定しているのがこの2人と言えるだろう。
他にも星勘定の良い力士もいたが、ここへ来るまでにやはり脱落していった。
どうしても、平幕力士だと星の取りこぼしがある。
それで、最後まで勝ち残ることができないわけだ。
横綱が2人とも不在、大関も本調子ではないので、関脇のこの2人が場所を盛り上げるものと思う。
今大関を張っている栃ノ心は多分大関を陥落するだろう。
彼は今カド番で現在7敗。
残りの3番を全勝しなければならない。
今の栃ノ心からみて、とても難しいと言える。
とにもかくにもあと3日。
それぞれの力士たちが全力を尽くして良い相撲を取って欲しい。