物語は信長との結婚を拒んでいた帰蝶が光秀にさとされて嫁いで行こうと決心をする1連の流れを描く。
様々な人物の思惑が絡んで、それぞれ自分自身の利益となるように動こうとする。
もう、この辺になると歴史は多くの記録を残しており、後はそれぞれの人物がどのように描かれるかでこの物語の面白さが発現するのかなと。
出番こそ少ないが少年織田信長の染谷翔太の演技が秀逸。
どのような性格で描かれるのか興味津々。
目次
“麒麟がくる”で描かれる織田信長
歴史で教えてもらってきた信長は、とにかくかなりのうつけ者で、特に若い頃は変わっていたとそう学んできたけれど。
この物語でもそんな雰囲気は漂わせつつ、実際は少年らしい振る舞いもたくさん描かれているようで、父親や母親に気に入ってもらいたい気持ちも充分あったみたいだ。
自分流の生き方ももちろんそうだが、若い頃から経済活動その他で領民と深く関わりを持っていたようなそんな描かれ方。
自分が漁に出かけて獲ってきた魚をさばいて、皆に格安の値段で分け与える。
ひときれ1文っての今の今の価値でどんなものなのかなと。
しかし、注目すべきはやっぱりお城の中での籠の鳥ではなくて、自ら領地に出かけていって町民と共に活動するところが他のお殿様たちとは違っていたかも。
聞けば、麒麟がくるの撮影スタッフの話として、信長は実は孤独な少年で、帰蝶が初めてできた同年代の話し相手で、2人は意気投合するとそんな設定になっていた。
歴史上では、この2人には子供がいた記述は無いのでおそらくはいなかったのだろうと思うけれど。
結婚してからの記述は現段階ではまるで発見されていないので、どのように生きていたのかも全く不明。
多分、死んでいた事はないと思うので。
いくらなんでもなくなってしまえばそれなりの記述が残ろうと言うもの。
それがないあたり、脚本家にとっては、やりたい放題で描けるのでは。
光秀はついに帰蝶を説得
光秀と帰蝶は幼なじみの設定とあった。
実際には10歳程度年齢が離れていたと思うけれど、小さい頃から一緒に過ごしていて、しかもいとこ同士。
お互いそれなりに気が合う部分もあったような。
斎藤道三が帰蝶が信長との結婚を拒否されたときに、光秀を説得役に抜擢したのもなんとなくうなずける。
そのためにわざわざ道三自身の胸の内を光秀に語って聞かせたのだ。
その思い入れには光秀もいたく感動したらしく、それならばこの結婚は認めてやりたいし、応援もしたい気持ちになったようだ。
斎藤道三と息子義龍


光秀が帰蝶の婚姻を説得したことで道三は大はしゃぎ。
とにかく、でかした!あっぱれ!で褒めちぎる。
しかしその事実を聞くにつれ息子義龍は激しく反発する。
織田信秀が正式な守護代ではなく、単なる成り上がり者だとさげすみ、光秀に帰蝶の婚姻を潰すための働きかけを促す始末。
義龍はもともと父親である道三からは疎まれていた。
実は義龍の父親があの土岐頼芸ではないかと邪推していたのだ。
母親に聞いても母親は絶対違うと言い張り、頼芸は思わせぶりな発言をして自分の嫌いな斎藤道三と敵対するように導く。
もともと母親は頼芸の愛人で、斎藤道三に下げ渡した過去がある。
この当時の武将ではそういった、人の道に外れたようなことも平気で行っていたようだ。
つまり、そういったいきさつの中で自分自身の父親が本当は正当な土岐家の一員ではないのか、義龍は気が気ではない。
裏を返せば、彼自身も父親の斎藤道三に気にいられなかったに違いないのだ。
歴史はとても残酷で、斎藤義龍は父斎藤道三をやがて討ち果たすことに。
自分自身の父親を自分の手で殺してしまうわけだから、相当な憎しみがあったに違いない。
歴史の中にもきちんと史実として伝わっているので、間違いのないことなんだなと。
いずれ物語から消えていなくなる時頼芸
土岐頼芸ははっきり言って凡庸な守護。
土岐源氏の流れをくむ正当な家柄を主張しながらも、実際のところは政治的にも軍事的にもほとんど力があるとは言えない。
斎藤道三によって担ぎ出されて無理矢理お神輿の上に座らされたようなもの。
頼芸自身も斎藤道三が大嫌い。
そのくせ道三の経済力をあてにしていたりもする。
かつてはそれなりの信頼関係があったような。
自分自身の愛人を下げ渡すぐらいだから、何かの褒美のつもりででも取った行動なのだろうか。
しかし下げ渡された女性にしてみれば内心ジクジたる思いがあったのでは。
この辺のこじれた話が行く行くは彼ら全体の運命も大きく変えていくことに。
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駒と帰蝶の淡い恋心
演じているのは川口春奈と門脇麦。
いかにも仲良しで、屈託のない会話で心を通わせるが、今ならばせいぜい女子中学生か女子高校生の類の年齢。
それぞれが光秀に恋心を抱いたとしても何ら不思議は無い。
しかしこの場合、一度結婚を経験している帰蝶と全くの未経験の駒とはその反応が大きく違うのだ。
帰蝶は光秀を気に入ってはいるが、自分自身の結婚相手になるとは考えていないようだ。
そこは歴史の表舞台に出てくるほどの女性なので自分の立場を理解しているのかなと。
それとは逆に駒はその恋心は、経験がないゆえに一途で健気なものとなっている。
この2人も麒麟がくるでは重要な役柄を演じているが、この先どう関わってくるのかはちょっと不明かな。
松平家(徳川家康の出身家系)の抱える憂鬱


実はこの写真は予告編の中の画像で、びっくりした人も多かったのでは。
菊丸について彼が何者なのかを予見する画像となっている。
実はこの画像はTwitterを検索していて発見したもの。
予告で待ってかれました。
— ∞738∞Contrail♡ (@yunamieko0916) 2020年3月8日
菊丸=服部半蔵だろうなぁ〜。
竹千代の歳を考えると、一番有名な2代目服部半蔵ではなく、その父の初代服部半蔵ではないか、と。
竹千代のお祖父様から松平家に仕えてるし。#麒麟がくる pic.twitter.com/TYH12Wr0VD
こちらの方、かなりの歴史オタク。
菊丸が服部半蔵でないかとの予想は私もある程度耳にはしていたが、こんなにも早い段階でそれを匂わせるような画像と出会えるとは。
そうなると、単なる農民としての役どころではなく、後に徳川家の裏の仕事を引き受けていた伊賀者の初期のメンバーと言うことに。
歴史の記述には載っていないので、脚本家としても自由に描けるかも。
ちなみに目の前にいる武将は、こちらは竹千代の母親の父、つまり徳川家康のおじいさんにあたる人。
その人から指令を受けている格好に。
ここら辺の1連の流れが予告編としてYouTubeでもヒット。
予告編もチェックしていたつもりだったけれど、最後のほうのシーンとかはあまり見覚えがない。
日がな一日テレビを見ているわけではないので、見落としていたのかもしれない。
でもこうしてみると織田信長の描かれ方もなんとなく伝わってくるよね。
久しぶりの本格的な時代劇なので個人的にもとても期待しているので。
来週の話が楽しみになってくる。