コロナ対策で観客2500人の開催となっている大相撲。
横綱が2人とも休場する事態で、盛り上がりには欠けるなと思いつつ観戦しているが、盛り上がりの事はともかく、相撲内容はハラハラドキドキもあって注目できると感じる。
過去の例から見ると誰か彼か調子が良くて、際立つ力士がいたものだが、今場所に限っては絵に描いたような混戦模様。
昨日までで7日過ぎたので、誰が抜き出ていくのか想像できそうなものだが、なかなかそうも言い切れない。
大関2人と3人の関脇がどれだけ活躍できるのか、その点にかかっているのかも。
目次
7日目を終わってみて
貴景勝の一敗が良さそうにも思うが、相撲を見る限りでは圧倒的な強さと言うわけではない。
全力でとっている押し相撲なので好感を持てるが、このまま突っ走るかどうかはとってみなければわからないだろう。
照の富士が先場所に引き続き良い相撲を取っているがすでに2敗しているので、この後の様子を見なければわからないのかも。
しかし先場所初めて幕尻まで戻ってきて、優勝した翌場所が今回。
両膝に爆弾を抱えながらものびのび相撲とっていると言える。
大関2人の様子は?


朝乃山の初日からの3連敗には恐れいった。
一体どうしちゃったんだろうと思った向きも多かったのでは。
相撲を見る限りでは、前に出ていながらも逆転されたりして、本来の力を出し切れていなかったのは事実。
調べてみたところ彼の場合、出稽古で調子を整えるのだそう。
ちなみに今はコロナのせいで出稽古は禁止となっている。
どうしても十分な調整ができないのは相撲取りにとってはかなり手痛いダメージとなる。
稽古なしで本場所に望める力士などいるはずもなく。
横綱といえども、稽古相手を探して出稽古に赴くのだ。
従って朝乃山は場所が始まってから少しずつ相撲カンを取り戻していったようだ。
どうやら白星が先行したので、4勝3敗となった。
後半は少しずつ調子を上げていくに違いない。
貴景勝は一敗を守って成績をきちんと守っている。
後半の星のつぶし合いで果たしてどんな結果になっていくか。
彼の場合精神面の強さも定評があるので、大きく崩れる事はないだろう。
3人の関脇たち


3人いる関脇の中でひときわ輝いていたのが正代。
前半戦では彼の強さが際立っていたと感じた。
この力士がこんなに強いのかと改めて実感させられたが、昨日までで5勝2敗。
負けた相撲は残念な相撲もあったのだが、崩れなければ10勝ラインにまで持っていくだろう。
彼には大関の声もかかるのだ。
さて、御嶽海はいまひとつ調子が上がってこないと見ている。
彼も本来ならば大関を目指すか、すでに大関になっていなければならない力士。
それが叶っていないのはとりもなおさず、下位力士に取りこぼしがあるから。
今場所もどうやらその辺の癖が改まっていないと見る。
勝ち越しはすると思うが、果たして10番勝てるかどうか。
大栄翔はどうやら関脇の地位を守れるかどうかの瀬戸際。
この番付で良い成績を残すには、それなりの実力が求められるが、今場所はいい勉強になったと思ってもらうしかない。
明暗分ける力士達


追手風部屋の翔猿は新入幕ながら好調を維持している。
この部屋には先輩に遠藤もいて稽古相手には事欠かないだろう。
さて気の毒だなと思うのは炎鵬。
今場所は、体重が不覚にも数キロ落ちてしまったとのことで、より軽量が際立つ形に。
動きでカバーするしかないのだが、それも限界のあること。
今場所は我慢の場所となっているようだ。
相撲の取り口をことごとく読まれているので、なかなか勝ち星につながりにくい。
ここまでくると、ある程度先のことも読めるようになるが、優勝に近いのはやはり2人の大関と、関脇の正代だろうか。
この3人が10日目あたりまで無難に相撲を取ることができれば、勝敗の行方は決まってくるだろう。
先場所のように平幕の下位力士の優勝は意外性はあるが、上位力士達のメンツは丸つぶれになるのだ。
そういったことも考えればごく普通に関脇までの力士で優勝争いをしてほしいもの。
後半戦は目の離せない相撲が多くなると期待している。