両横綱が出場できなくて盛り上がりに欠けると思っていた9月場所だが、もう千秋楽も間近で
誰が優勝するのか予断を許さない。
今場所の相撲が始まる頃にどの力士も怪我をせずに15日間場所を務め上げることを心の底から望んでいたが、結果はなかなか厳しいものが。
大活躍していた照の富士がついに力尽きて休場することに。
大怪我から立ち直ってここまできたが、しかし最後に落とし穴が。
古傷を痛めてしまった。
他にもギリギリの状態で相撲踊っている力士たちのなんと多いことか。
今分かる範囲で今場所を考察してみたい。
目次
不覚を取った照の富士
昨日の1番で古傷だった左膝の変形性関節症が再発。
激しい痛みがあっておよそ相撲を取れる状態では無いとの事。
診断書によれば3週間の安静治療を要するとあった。
せっかく前頭の筆頭にまで番付を戻してきたが、これでまた少し足踏みするか様子を見ながらで番付が下がることもやむを得ない。
何せ、序二段とか3段目まで落ちた身の上。
そこから復活してきたのだ。
長く苦しい道のりで、一旦は引退を決意したらしいが親方からまず、
怪我を治す、話はそれからとの申し入れを素直に受け入れて今日までやってきた。
もともと大関まで上り詰めた歴史がある。
根性もまた相撲への理解も今いる力士の中でもピカイチと言える。
しかし、簡単に返り咲きとはならなかったようだ。
優勝予想してみちゃお
正代
今日貴景勝に勝った1番は会心だっただろう。
まともにやり合えばどうしてもパワーで押される可能性が高い。
しかし、今場所の正代はいつもとは違って決してマイナスなことを考えていないようだ。
前へ出る圧力はかなりのものがある。
押し相撲ではないが、激しく揉み合ったときの一瞬の相撲カンは動物的な凄ささえ感じる。
貴景勝はまんまと術中にはまった感がある。
中途半端な距離を取られると押し相撲は意外と力を発揮できない場合が多いのだ。
押し相撲は、ある程度接近戦でしかも回しを取ることなく突き押しの型にはまって初めて力が発揮できる。
今日の相撲でなんとなく貴景勝が優勝候補から一歩退いた感を感じてしまった。
朝乃山
今場所の初日から3連敗をしたのには驚いた。
決して体調が悪いわけではなさそう。
しかし、相撲はいいところまで押し込みながら逆転されたり、また相手の反撃を簡単に許してしまったりで調子が出ていないように感じた。
聞いてみるとこのコロナ騒動の間は出稽古は禁止となっているらしい 。
高砂部屋にはふさわしい練習相手はいないようで朝乃山はいつも出稽古で調整をしてきたようだ。
それができなかったことが調整不足を招いたと思われる。
一旦、場所が始まってしまえば少しずつ調子が上がるのは何となく理解できる。
要するに土俵カンと言うやつ。
特に後半に入ってからはその強さが際立つように。
星の差一敗で優勝候補となっているが、かなり有利な位置にいるのかもしれない。
千秋楽で貴景勝と大関同士の一騎打ちがあるが、現状では朝乃山に歩があると見る。
貴景勝
貴景勝は決して悪くはないが、どうしても押し相撲の厳しさがあるだろう。
必ず先手をとって攻め続けなければ勝ちにはつながりにくい。
今日の相撲も朝乃山に見事にしてやられた。
貴景勝が負けた相撲は大抵前にばったり手をついて負けているので、まだ調子を落としているところまでは行っていない。
本当に悪くなると後ろへ下がって負けてしまうのだ。
前ばったり手をついて負けるのはむしろ積極的に攻撃を仕掛けている証でもある。
しかし今日負けて3敗となった。
優勝争いからは1歩後退したのかもしれない。
翔猿
翔猿は新入幕で快進撃を続けている。
はっきり言ってできすぎと言われるかもしれない。
しかし相撲の様子を見ているととにかく動きが良いだろう。
相手を上回るだけの素早い動きで、自分に有利な体制のまま寄り切る相撲が目立っている。
これだけの星勘定となれば番付編成会議も毎日の取り組みを決めるときにどうしても上位の力士と当てざるを得ない。
明日の取り組みはなんと大関の貴景勝と。
こう言ってはなんだが、ひょっとしたらひょっとする。
かなりニクい取り組みを編成したものだと感心する。
ここで全てが決まるような気がする。
まとめ
朝乃山は明日正代と1戦を控える。
はっきり言わしてもらえればここの勝者が優勝するはずだ。
今場所の天下分け目の戦いだと言えるだろう。
横綱が2人いない場所でも、十分に盛り上がった場所と言える。
何よりも大関が最後まで優勝に絡んできたことが場所を引き締めたのでは。
毎日ハラハラドキドキしながら楽しませてもらっている。