くわちゃんの独り言

音楽や映画が大好きな爺さん。長年の経験から知りえたことを発信します。

エール 長崎の鐘誕生秘話

 

作曲家古関裕而さんの作品の中で戦後の代表作とも言える歌謡曲に

長崎の鐘がある。

今日のエールは、映画の主題歌として作曲依頼を受けた祐一君が作曲に至るまでのきっかけが描かれる。

今日のエピソードの中でも語られていたが、

祐一君はあまりに純真で真面目すぎるとのこと。

それはモデルとなった古関さんも同じだったのでは。

さらに今日、私が注目していたのは吟ちゃんの夫智彦さんのエピソード。

期待に違わぬ人間模様が描かれた。

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作家永田医師と妹さん

目次

作曲依頼 映画長崎の鐘主題歌作曲

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ラジオドラマは大成功していたが

ラジオドラマの収録が大忙しの中、作家池田二郎が持ち込んだ 新たな作品依頼。

それは戦争直後に出された本長崎の鐘を映画化するにあたって、その主題歌の作曲依頼。

仕事の合間を見て本を読み続ける祐一君。

これは長崎原爆の直後、長崎市内で被爆した人たちの治療にあたったお医者さんの手記を本にしたもの。

後に映画化されることになるが、詳しい話は私は個人的には知らなかった。

今回改めて調べてみて、

長崎の被爆直後の壮絶な物語が克明に描かれていると。

作曲に取り組もうとするときに全力で取材をすることが祐一君の常。

音ちゃんが戦争経験のフラッシュバックが起こることを恐れる中、彼は長崎へ向かう。

本の著者永田武医師に直接会って体験を伺おうと。

既にラジオドラマで大忙しだった祐一君。

周りの協力も得て、放送を撮りだめして何とか長崎行きの時間を捻出。

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今や売れっ子作家だからね

演じている北村有起哉。

彼は私の中では悪役の印象が強いが、本人もその事は先刻ご承知で 物語を踏まえて演技しているらしい。

今回はいつもとは全く違った主人公を大きく助ける役どころで、インタビューではいつになく幸せな気持ちで作品に出演できているとの事。

決して大げさな演技をしているわけではないが作家としてのキャラクターがしっかりと際立っている気がする。

長崎へ

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モデルとなった長崎の鐘

長崎へ到着した後最初に出迎えてくれた人が永田医師の妹さん 。

調べてみるとかなり有名な女優さん

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女優中村ゆり パッチギとかに出ていたね

さて、長崎は原爆投下後、簡単には復興などできてはいなかった。

一瞬で数万人の人が亡くなったが、その後原爆生で苦しむ人も多数。

永田医師はその原爆症の治療中に自身も白血病を発症。

寝たきりの生活を余儀なくされていたのだ。

作家活動を中心に行っていたようだ。

永田医師との会話

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俳優吉岡秀隆 半端でない演技力だね

永田医師に単刀直入にインタビューしようとする祐一君。

どんなお気持ちで治療されていたんですか?

私は自分の本に全て書き残しました。

あなたならこの物語ですぐに作曲できるでしょう!

いいえ、どうしても当時のことを知りたいと思って。

これらのやりとりの後、永田医師は告げるのだ 。

贖罪のための作曲などお止めなさい。

私はあなた自身のための作曲などして欲しくない。

この時、祐一君は自分の自己表現のための作曲を目指していたが、すかさずそのことに気がついた先生。

それではいつまでたっても目指すものはできないと。

そして、周りからこの世に神様がいるのですかとの問いに、落ちるところまで落ちてしまえと言い放つあたり。

今日のエピソードの一番の見所。

俳優吉岡秀隆の演技力の真骨頂を見せつけられた感じ。

ベッドで寝ているときの、しっかりと意思力のこもった眼差しながら明らかに病的な世界を醸し出している。

最近ここまで演技できる俳優はあまり見かけないもので。

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モデルとなった永田隆さん

写真からも熱心なクリスチャンであることが見てとれる。

長崎は隠れキリシタンも多かったと聞いているが、原爆によってすべては根絶やしにされたと言えるだろう。

今さら何を言っても始まらないが無差別殺戮の極みだと納得させられる。 

生まれ変わろうとする智彦

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浮浪児からネギの切り方を習う

ひょんないきさつで知り合うことになった 浮浪児ケン。

彼は弟や妹などの家族を抱えて食べ物の調達などに苦労をしている設定。

智彦とのやりとりが描かれていた。

ちょくちょく顔を見せにやってくるところが、智彦が何気なくかけた言葉に反応。

ケンの生い立ちや今の状況などを知ることに。

そして話のついででネギの刻み方を習うことに。

かつての軍人智彦なら、考えつかないような行動をすることになる。

新しい仕事で何とか再生をしようと頑張る智彦を陰ながら見守る吟ちゃん。

この夫婦の新たな会話はこれから生まれるのかもしれない。

学ぼうとする気持ちがあれば、道は開けていくのだなと。

様々な出会いが描かれる中で、物語は戦後の復興とともにエピソードを重ねる。