今日で3回目の放送となる青天を衝け
言わずと知れた渋沢栄一の立志伝だが、どんなふうにその物語の面白さを伝えるのかと興味津々で見てきたが。
テレビの番組である以上は視聴率の上がり下がりは避けて通ることのできない宿命。
初回の視聴率がここ最近ではない位の立派な数値だったのに、2回目では一気に3%以上下がったとのこと。
番組の制作スタッフにしてみれば、一喜一憂するような厳しい事態だとネットのニュース。
さて、まだ始まったばかりで物語の描く傾向もいまひとつ見えてこない中、今日の物語で多少なりとも人を惹きつけるような渋沢栄一の人となりが描かれ始めたような気が。
彼の最も優れた能力。
それはコミニュケーション能力。
藍葉の買い付けで本来の類まれなる才能が開花する。
目次
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江戸の繁栄
父親市郎右衛門の付き添いで江戸を訪れる英一。
江戸の町はこの当時人口100万人を超える世界中を見回しても一級の大都市。
徳川幕府の本拠地ではあるが、実際は江戸城周辺の庶民が暮らす街家にその賑わいの本体が。
特にこの当時から様々な商いの取引問屋などは、各街街に分散して存在したようだ。
木材関係では木場とか、さらに藍染めの専門家が集まる街も存在したようだ。
そこに全国から様々な商売のために人が集まってくる。
関西では大阪が有名だが、関東の東京も大阪をしのぐ事はあっても劣ることなどなかったと想像される。
栄一は父の商いの様子をつぶさに見ていた。
それは単なる売り買いではなくしっかりと営業することも。
どれだけ認めてもらって、商売の相手をしてくれるか。
特に染め物の中では藍染めは当時でもダントツの人気で庶民からも広く支持されていた。
当然、今は全て機械化されて手作業は1部にしか残らないだろう。
だが、この当時の作業は全てが手作業。
様々な人の手があって初めて商品が出来上がってくる。
そして最終的な商品になるまでにその中間とも言えるべき様々な品物が準備されなければならない。
藍染め農家の苦労
藍葉はれっきとした農産物にあたる。
当然のことながら天候に左右されるし、品物の良し悪しはすなわちどれだけ手間ひまかけるかによって仕上がってくる。
今日の物語の中では、夏のある日、害虫が発生したが故に肝心の藍葉がほとんど皆虫食いになってしまったとのこと。
ほぼ商品価値はなくなってしまうので、使える部分だけを何とかして刈り取って次の作業に備えなければならない。
この当時は今と違って防除といっても農薬などを使った形跡は無い。
無農薬で有機肥料のみで農業を行っていたのだ。
そのメンテナンスは大変な苦労だったと推察。
とにかく畑の土にどれだけ力をつけて、農作物に免疫の力を発揮させるか。
渋沢家は、この後藍葉の二次加工が待っているのだが、必要とするだけの葉が集まらなければ、次の作業にかかれない厳しい状況になる。
血洗島の近郊にも藍農家はあるので急遽出向いていって買い付けする必要が。
農家たちも藍染の加工業者が葉を買いに来てくれる事は歓迎されていたようだ。
問題は、値段が降り合うかどうか。
実はここで渋沢栄一の優れた持ち味が発揮されて、買い付けに成功した経緯が描かれていたね。
徳川幕府の終焉
徳川幕府はいよいよ幕末となって将軍の跡継ぎ問題も様々な形で幕臣たちを悩ませることに。
一橋家に養子に入っている慶喜。
鳴り物入りの養子縁組だったが、彼はちょっと偏屈なところがあったようにも思う。
彼を称賛する人と、彼が大嫌いな人もたくさんいたようだ。
しかし共通して聞こえてくるのは、優秀だったこと。
その優秀さが様々な人材登用にあったこともあまり知られてはいない。
渋沢栄一も彼に取り立てられて江戸幕府の幕臣として参画することに。
もっともその事はもっと後になってのことだが。
この時代は黒船が来航してその対応にてんやわんやで追われていたのだ。
様々な議論がある中で、国を守るために働こうと志を高くしていた者たちは多い。
物語なので渋沢栄一に縁のある人は次々と登場してくるようだ。
玉木宏 彼も高島秋帆の役柄で砲術家として物語に登場。
最初に物語に出てきた時は罪人扱いでかなり薄汚れたなりで出ていたよね。
徳川幕府の内情はおそらくこれから何度も回数を重ねて丁寧に描かれるに違いない。
栄一の商いデビュー
血洗島の虫食い騒動があって急遽藍葉の買い付けに走らなければならない必要が。
父親市郎右衛門1人が出かけていったが、母親に必死で頼み込んで栄一も買い付けに行くことに。
はじめての事なのでおよそ信用されるには至ってないが、本人があまりに熱心に頼むので母親の独断で買い付けをさせてみることに。
実は、今日の物語の一番の見所はここ。
吉沢了の演技も勿論あるが、農家としての様々な知識がしっかりと取材されていて、違和感なく専門家としての振る舞いが地についていたように感じた。
しかも商いのやり方が、買うほうも売るほうも得をするような上手な振る舞い。
つまり、今回の取引だけでなくこの次の時も優先的に商売してもらえるように頼み込んでいた。
こうして大量の買い付けに成功。
これは父親市郎右衛門も驚きだったに違いない。
値段の事はともかく、次の年にもしっかりとつながるような理想的な商売ができている。
渋沢栄一が後年、日本のおもだった産業すべてに関わることになっているがその最初の片鱗がここに描かれていたような。
さて、ここから物語がどのように進んでいくのか。
江戸幕府の中に彼は入っていくことになる。
また、海外視察も経験することになるので、まさか海外ロケをやったとも思えないが、どんな描き方になるのか。
余計なことだが、今日の視聴率も若干気になってしまう。