京都で暮らすことの詳しい説明が今日語られる。
千代ちゃんはちょうど1年前、鶴亀新喜劇の最後の公演を終えた後、そのまま身1つで家を出たのだ。
夫に裏切られ、自分の持っていたもの全てを投げ出して行くあてもないまま行方不明に。
しかし、はるか昔ご縁のあったおばあさんに再会することになる。
聞けば、千代ちゃんのことを探していたとのこと。
思いがけない登場人物だが、おちょやんは新たなエピソードを書き加えることになる。
一体いつから探していたのかと思うが、おそらくは戦後だろうなと推察。
目次
ラジオドラマのオファーをやんわりお断り
行方不明になってからちょうど1年後の設定になる。
二度と役者はやらないと心に決めているような。
あれだけ情熱を賭けていた女優業だったけど、彼女の味わった思い出はあまりにも苦しいことばかりだったよね。
今更オファーを受けてもはい分りましたとはならない。
しかし当郎さんの事は覚えていたようで。
わざわざ訪問してくれた制作スタッフも空振り。
いちど言葉を交わして会話をしてみると千代ちゃんの値打ちがわかると言うもの。
そういえば今までの放送の中でもあったが、彼女と一緒に芝居をやると周りのものがなんとなく元気をもらえる。
竹井千代はお月様のような女優さんや
確かこれ千之助兄貴のセリフだったような。
水野栗子 春子 竹井千代 3人家族
最初に映っていた食事のシーンは学校で会った話を春子ちゃんが2人に披露するところ。
屈託ない話し方で、ごく普通に微笑ましい食事のシーンに映った。
こちらの家族はおばあちゃんと孫、それにおばさんの千代ちゃんの3人家族。
おばあちゃんは体調が良いときには三味線の先生とかやっていそう。
ちなみにおばさんの千代ちゃんは近所で仲居さんをやっているらしい。
ドラマの中で描かれていたのは、千代ちゃんの記憶力と機転の良さ。
姪の話から登場人物をストーリーに仕立ててしっかり理解しようとする。
これは、おちょやん時代から変わらない彼女の持ち味。
そうして繰り返すうちにお客さんの好みとか台本の全てを暗記できるほど高められた自慢の能力。
相変わらず健在なことが今日証明されたようなもの。
かつて 同じ家族だった
確かここで養鶏業を営んでいたと思ったね。
場所は南河内の山奥の集落。
貧乏暇なしで、幼い千代ちゃんが家事全般を受け持っていて彼女は学校に行くことも叶わなかったのだ。
早くに母親をなくし、父親と弟の3人暮らしだったところに後妻の栗子さんがやってくる。
実はこれがすべての事件の始まりで千代ちゃんは生涯にわたって苦労を背負うことになる。
この寄せ集めに近い家族は栗子さんの妊娠で状況が一変。
最初に千代ちゃんが芝居茶屋に奉公に出される。
それが道頓堀の当時の岡安。
岡安時代も実は何度か父親のテルヲがやってきてお金をせびる有様。
何度か父親に全て持ち出されてすっからかんの状態が続いていたのだが。
もう1人の家族弟のヨシヲも家にはいづらくなってほどなくして家出してしまう。
彼はヤクザに身を落としていたが満州にわたって、お世話になった人たちを助けるために自ら犠牲になって命を落とした。
考えてみれば千代ちゃんの人生はそんな感じ。
苦労のしっぱなしだったんだよね。
千代ちゃんの新しい家族
1年前、道頓堀から身1つで出てきた千代ちゃんを探しに来たのはなんとはるか昔に別れたはずの栗子さん。
すっかり年とってしまっていたが、やはり合えばすぐにわかる。
最初は、簡単に心を開けない千代ちゃん。
栗子さんの申し入れも単刀直入であんたの姪の春子の面倒を見てほしいとの事。
春子ちゃんの母親が栗子さんの娘のようだ。
戦争で亡くなって、誰も頼れる人がいなくなってしまったとのこと。
栗子さんはかつての酷い仕打ちを謝罪した上での依頼だったが、千代ちゃんの答えは驚くほど手厳しいもの。
ウチの時とおんなじ。
奉公にでも何にでも出せばよろしいのや!
実はこのやりとりを襖の向こうで聞いていた春子ちゃん。
しくしくと泣き出してしまう。
この物語の最も大切なコンセプトがここでしっかり描かれる。
登場人物の誰もが、子供のような守るべき存在は理屈抜きに守らなければと反応してしまうのだ。
おそらくそれぞれ皆、苦労をしてきただろうに、同じ苦労をいたいけな子供にさせるわけにはいかないと本能的に悟っている部分がある。
今回も泣きじゃくる春子ちゃんを抱きしめる栗子さんが描かれて、さらに春子ちゃんに顔をくしゃくしゃにしながら謝っている千代ちゃん。
自分が受けてきた苦労をさせてはいけないとすぐに反応してしまうのが彼女の人となり。
一平君と別れたのもそこに原因がある。
灯子ちゃんに子供ができて、もし自分が居場所を要求してしまえば、親子の居場所がなくなってしまうことをよしとしなかったから。
それはあまりに貧乏くじには違いないが、そうせずにはいられない千代ちゃんの優しさがある。
今日描かれたのはここまでだが、明日以降はそれなりに明るい話題で描かれるに違いない。
何よりも、ラジオドラマのオファーは結局のところ受けるような流れになっているのだから。