この7月場所は、この後オリンピックも控えていたりするので、どんな場所になるのかとずいぶん注目していた。
何よりも大関照ノ富士!
彼が3場所連続優勝して、果たして横綱への切符を手にすることができるのかどうか。
そして進退をかけて場所に臨むと言っていた白鵬。
注目はこの2点に集約されたはず。
結果は相撲を見ていて誰もが知っている通り白鵬が15戦全勝優勝を飾ったのだ。
半世紀を超える大相撲ファンを自認する私としては、若干の意見も申し述べたい。
目次
白鵬対照ノ富士
千秋楽のこの相撲を見てみんなどう思っただろうか。
全力でぶつかりあうやりとりは確かに見応え充分。
しかし、私は相撲内容に大きく注目している。
白鵬の右肘のカチ上げはどう評価できる?
スローモーションで何度も見たが、あれは明らかにプロレス技のエルボースマッシュだろ!
その後の激しい張り手。
1連の流れを見ても横綱が取るような相撲っぷりではなかったと感じたが。
あまりにも、荒っぽ過ぎるし、卑怯な印象を受けたのは私だけではあるまい。
あれは、言って見れば白鵬の挑発作戦だった可能性が高い。
照ノ富士を興奮させて、冷静な相撲を取れないようにしたとも判断できる。
駆け引きと言ってしまえばそれまで。
勝負は見ての通り白鵬のもの。
引き締まった名古屋場所
休場力士も相変わらず多かったような。
特に大関陣が照ノ富士以外は総崩れになってしまった。
体が大きくなったことが関係しているんだろうなとも思うが、普段の訓練などでは防げないものだろうか。
若い力士たちも順調に育っては来ているが、まだ上位の大関を目指せるような力士はそれほど多くはない。
若手力士の活躍を見ると、相撲を見ていても楽しみが多いなと実感する。
横綱としての資質を問いたい
歴代の横綱の中でも優勝45回はまさに前人未到。
おそらく今後破られる事は無いだろうと感じる。
大変な実績だが、一体どれほどの人たちがこの実績を正しく評価しているだろうか。
つまり、横綱白鵬の値打ちがどれほどのものなのかと論じたときに、45回の優勝をそれほど凄いと感じないのはなぜだろう。
私が知る歴代の横綱たちは出処進退がきちんとしていたような気がする。
そして相撲に対する姿勢が決して卑怯なことなどはしない。
昨日の白鵬の相撲を見ている人はどう思っただろう。
北の富士さんのブログを読むとぼろくそにけなしていた。
私も昨日見ていて、なんじゃこりゃと思ったもの。
勝負だから勝たなければ意味がないのはわかるが、こんなデタラメな立ち会いはないだろう。
ただし、精一杯善意に解釈すれば、白鵬ほどハングリー精神に満ちた関取もいないだろう。
相撲は格闘技の中でも上下の序列が厳しい世界。
上に昇っていくもの、地位を守るべきものは他の追随を許さない位のハングリー精神がなければ務まらないのがよくわかる。
それと同時に求められるのは美しさ。
美しさは相撲そのものに現れる。
私ごときに卑怯と言わしめるような相撲ではダメなんだよね!
さて、そうは言っても結果は実に辛辣なものだ。
まとめ
今場所初めて土のついた照ノ富士。
彼は彼独特のハングリー精神で相撲をとり続けてきた。
心意気の清々しさは、白鵬をはるかにしのぐと私は解釈している。
相撲取りはこうでなきゃダメなのだ。
勝ちさえすれば何でもいいと後ろ指を刺されるようなことでは残念ながらってことになるじゃないか。
せっかく優勝したんだから、みんなから祝福してもらえるようなそんな横綱でなきゃね。
さて、様々な不平不満を感じつつも7月場所は無事終わった。
しばらくはこの話題でもちきりになるはず。