マトリックスの新作と言うことで、ネットでもずいぶんと前評判が高かった。
見ないわけにはいかないだろうなと常々思っていたので、今日初めて鑑賞をさせてもらうことに。
実はあらかじめあらすじとか、前作の事とかネットの情報でほぼ全て確認。
特に最初の三部作に関しては、すべて複数回観させてもらっているので内容もそれなりに把握している。
それを踏まえた上で今回の作品があると言うことらしい。
特に今回は第一作の正当な続編との触れ込み。
ちなみに最初の作品は1999年の3月封切り。
2003年に2作目3作目が続けて公開された。
今回はそこから18年経って4作目が公開。
この物語はマトリックスという虚構の世界について、現実と虚構を対比させながら描くSF作品。
初めて作品に触れた時は、設定の斬新さに驚き、映像の巧みなこと、俳優たちの魅力的なことなど、いろんな点ではまった作品と言えるだろう。
すでにコンピューターを駆使した作品作りは映画のみならずテレビの分野にも進出。
SFXが当たり前の時代、その先駆者とも言えるマトリックスが一体どんな進化を遂げたのか、私なりに考察してみたい。
目次
魅力的な登場人物


マトリックスがどんな映画かを理解するためには、ストーリーを何とか解釈しようとする試みは徒労に終わるだろう。
この映画は理解する映画ではない。
感じる映画なのだ。
結論から言えば、物語がどんなふうに進んでいくのかは、自分が理解できるレベルで良く無理に受け止めようとする必要は無い。
問題は、セリフのひとつひとつや俳優たちの演技、過去にお手本となる作品があるのでどの場面が相当するのかを所々思い浮かべて後はひたすら感じること。
そうしているうちに、物語のストーリーのあらましとか、様々な細かい設定がおのずと心の中に入ってくる。
ネタバレできないのでたくさん語ることはできないが、最初の三部作の所々必要なシーンがサブリミナルのように0.1秒とか0.2秒という短い時間で挿入される。
長時間映さないところが驚くほど巧みだなと感じたね。
記憶の中に過去に見たシーンが一瞬蘇るんだよね。
これは、驚くほど綿密に仕組まれている作品だなとつくづく思い知らされた。
そして作品の中、全編で登場してくるのはネオを演じたキアヌ・リーブス。
彼が主役の設定になるので、当然中心的な役割を果たすのは言うまでもない。
さらに、彼の周りの俳優たちは今回はほぼ新人が多かったような気がする。
そして相手役のトリニティーを演じたキャリ-アンモス。
彼女は間違いなく物語上のヒロインであり、今回の作品のキーパーソンとだけは言える。
ただし、結論から言うと登場シーンがそれほど多いわけではないんだよね。
演出の巧みさで、存在感は申し分なくすごかったけどね。
キアヌ・リーブスもキャリーアンモスも最初の作品からは20年以上経っているのでやはり年齢は隠せない。
ただし、この物語の設定から行くと、60数年経ったとちらっと言っていたような気がする。
後はこれから作品を見る人に確認してもらうしかない。
ちなみに、重要な役柄のモーフィアスとエージェントスミスは役者は交代していた。
レザレクションズと三部作の互換性
現実世界と、仮想世界とか交互に入り混じる作品なので、現実がどちらなのかをしっかり把握しないと、何が何だか分からなくなるのは事実。
私たちが記憶に残っている様々なアクションシーンのほとんどは仮想世界。
そして作品の中に出てくる様々な単語、ザイオンとかアーキテクトなどかつての作品にも出てきた単語は今回も有用。
ただ、新しい単語に置き換わっているけどね。
前回の三部作が終了した後、ネオもトリニティーも確か死んでしまったと思ったけど、実はそうではなかったというのが今回の物語の大前提になる。
作品を見ればなるほどと納得できるので、その辺の物語の設定はとてもわかりやすくなっている。
前回の設定は今回もほぼ同じレベルで踏襲されているので、それほどの違和感は感じない。
ただし、もし違和感を感じるとすれば、映像が格段に進化していること。
今のSFXは20年前とは比較にならないほど進化しているのだ。
その真骨頂はディティールにあるんだろうと思うが、1回ざっくりと見ただけではそこまでは判断できないだろうなぁ。
この手の作品は複数回見るのがベストだろうと感じるんだが。
ネットの意見は様々


最初にネットで見たニュースはこの作品をぼろくそにけなしていたんだよね。
かつての三部作を知る者にとっては許しがたい駄作だと決めつけていた。
私は個人的にはそんな事はないと感じたが。
映画が分かりにくいことをなじる投稿だったので、そのことを気にかけつつ 今日観させてもらったが。
過去に見た「テネット」とかの方が圧倒的に分かりにくかったね。
最近「砂の惑星デユーン」も見たけどあの作品も過去の作品を知らなければかなりわかりにくい設定だと思う。
それに比べれば今回の作品はストレートな作り方でかなり分かりやすかったのでは。
この感覚では、ここからさらに多少の変化球を交えつつ続編が作られるような気がしないでもない。
俳優たちも主役の2人以外も存在感あったしね。
総評


私個人の意見としては、よく作り込まれたストーリー展開でわかりやすい作品だったと感じた。
この先もう少しストーリーを展開させられる要素があるのではとも思う。
ネットの情報を見るとアメリカでの週刊興行収入はナンバーワンを記録したとの事。
結論から言うと、わかりやすい作りになっていると思うので、この作品を支持する人は多いのでは。
ただ、1つ参考意見として聞いて欲しいが、最初の三部作を何度か見た人でなければ、ストーリーは伝わりにくいかもしれない。
いきなりこの作品を見て様々な設定を理解しようとしても、それはお気の毒としか言いようがない。
現実と虚構の区別がうまくつかない気がするんだよね。
そこは、映画作りの難しさでもある。
この作品はおよそ2時間半の大作。
映像のディティールを今思い返してみても、やっぱり作品には必要なシーンなんだろうと思うばかり。