物語は1976年頃。
この当時の世相が物語の中にふんだんに取り入れられていた。
この頃、もうすでにテレビっ子とか漫画とか子供たちが楽しむアイテムが巷に溢れかえっていたはず。
特に、ひなたが口ずさんでいた様々な歌は今でも私の世代ではくっきりと記憶に残る。
さて、6時45分から始まる英会話教室のラジオ放送は無事1週間がんばりきることができた様子。
しかし、この時代は前述のようにとにかく子供たちにとって誘惑が多かったと思う。
テレビだけではなく、漫画などもたくさん出回っていたので、月刊誌どころか週刊誌に至るまで発売日を楽しみに待っている人たちも大勢いた。
かく言う私なども少年サンデー、マガジン、ジャンプ、チャンピオンなどどれも熱心に読んだ記憶が。
仕事帰りに駅のキヨスクで買ったと思う。
さて、1週間続いた英会話教室だが翌週に入った段階でついに途切れることに。
誘惑に負けてしまったツケはどんな形でひなたの身に振りかかるのか。
目次
1週間続いた英会話教室が途切れる理由
この当時、私はすでに社会人として仕事をしていたので、朝は少なくとも6時くらいには起きていたような気がする。
子供は、通学にバスとか電車などを使わない場合、朝は7時過ぎまで寝ていたんだろうか。
学校は普通8時半くらいまでに通学するものと思う。
通学時間を常識的な条件として30分程度とした場合、朝は8時前に家を出れば大体何とかなったものと思う。
そうすればたいていの子供は、朝7時過ぎに目を覚まして準備と言うことになるだろうか。
物語を見ている限り、ひなたは朝ドラの「雲のじゅうたん」を見ていた。
これは、朝8時から8時15分として、それが家を出るギリギリの時間だったのでは。
6時45分の英会話教室を聴くとなれば、通常より早めに起きなきゃならないところが、大変だったかなと想像。
その分夜早めに寝ればいいんだけど、この時代そうはトンヤがおろさない。
この当時のテレビは夜もかなり面白いものがいっぱいあったはずだし、それ以外にも子供向け番組が山ほどあったような記憶が。
それらが皆早起きの足を引っ張る要因。
世の中には様々な誘惑が
いっちゃんが持っているのは月間の漫画誌。
これは少女用だけど少年用ももちろんたくさん。
月刊誌もさることながら週刊誌も山ほどあったような気がする。
当時の週刊誌でに人気だった漫画はギャグマンガを始めシリアスなものもたくさん。
記憶では「永井豪のデビルマン」がこの頃発表だったような。
この直後には「ブラックジャック」とか、他にも著名な漫画はたくさんあったような気が。
お小遣いのたくさんある子たちは全て購入して見ていたのでは。
ひなたはいっちゃんの買ったものを借りて読んでいたような描かれ方だった。
またテレビ番組もドラマやバラエティーなどこの頃から視聴者を意識した人気番組が多数存在したと思う。
カムカムエヴィリバディには紹介されなかったが、「太陽にほえろ」もこの頃だったと記憶。
これが夜8時からやるんだよね。
私は仕事から帰ってきてチャンスがあると、この番組の放送時間に間に合った記憶が。
大抵の場合は「太陽にほえろ」が終わってから帰宅できたような気がする。
子供たちは、その気になればどんな番組も見ることができただろう。
そしてさらにこれも当時よく言われたことだが“チャンネル権”と言う言葉があったと思う。
つまり一家には大抵1台のテレビがあったけど、誰がチャンネルを決定するのか。
ほとんどその家の子供が独占していたような、そんな雰囲気じゃなかっただろうか。
特に夜7時から8時にかけてはいろんなアニメが放送されていたのでそれは大人もつられて見ていたような気がする。
こういったものを興味の赴くまま眺めていれば就寝時間は当然遅くなってしまう。
私が子供の頃は夜8時以降には寝なければならない決まりだったので、個人的には小学校高学年の頃、『夜8時からやるコンバット』がみたくてみたくて!
それが見られないものだから、最近になってYouTubeで昔の番組を引っ張り出して見ている。
ひなたの交友関係
この頃の子供たちの友達関係は学校が中心になったはず。
すでに、中学を卒業した後は高校大学とそれぞれ子供たちの事情に応じて進路が決められたと思う。
ひなたの場合、いっちゃんと小夜子ちゃんが仲良し3人組でいつも同じ行動をとっていたと思う。
ひなたが姉御肌で他の2人を守っていたような雰囲気も感じたね。
ちなみにこの3人は10年後も同じように友達のようだ。
いつだったか夏休みの頃、ひなたが小夜子ちゃんに傘を貸してあげたことがあった。
その時がきっかけだったような気がするね。
同級生として、3人は何かと同じ行動をとることが多かったような。
ビリーがお店にやってくる
ひなたは1人で留守番をしていたところ、突然憧れのビリーが店に。
大好きな初恋の彼がやってきたのだ。
ラジオ放送の英会話を真面目に勉強していれば多少なりとも会話を交わせたはず。
しかし英会話教室は、1週間続けただけだった。
様々なフレーズを勉強したはずだけど、大好きな彼が目の前に現れたのではじっくりと思いをめぐらせる隙もない。
口をパクパクさせるばかりで全く会話が成立しない。
せっかく訪ねてくれた彼だったけど、残念ながら何一つおもてなしもできないままそのままお帰りいただく結果に(残念)
どうやらビリーはそのままアメリカに帰るような雰囲気だったね。
なんとも切ない初恋の結末の描かれ方。