先週のめでたしめでたしのエピソードはどこへやら。
週の初めで描かれたちむどんどん。
やはり気がかりだった賢秀の詐欺事件。
彼の踏み入れた世界は全てを台無しにする事態に。
あの「我那覇」はあちこちで知れ渡った筋金入りの詐欺師。
当時の沖縄は翌年に通貨変換を控えていて、その時の手続きに乗じた様々な詐欺事件があったような。
当時のレートでは1ドル360円の固定相場が採用されていた。
実際に通貨変換された時は1ドル300円程度と想定されるが、実体経済の有り様として1ドル180円程度で落ち着くのではと言われていた。
つまり1ドルを本来360円で円に換金できるものが半分にしかならない。
当時の沖縄の人たちは皆ドルでお金を保有していたようだ。
通貨が切り替わることでその財産が半分程度の価値になってしまう。
そのことを悪用した詐欺事件。
1ドル720円で交換してくれる特別な配慮があるらしいと。
世の中にうまい話なんかあるわけない。
本人の努力と、幸運の度合いによって未来は決まってくる。
目次
闇堕ち賢秀
賢秀にはどこまでも甘い母親。
この親子には厳しい仕返しが。
賢秀は一攫千金を夢見て詐欺話にまんまと引っかかってしまう。
もともと真面目に働くことが苦手だった彼は、母親に頼み込んで1000ドルのお金を準備してもらった。
母親はおじさんにもう一度頭を下げて“すぐに返すから”の条件付きでお金を借りる。
しかし、これがとてつもなく残念な結果に。
当時、通貨交換を利用した詐欺が横行。
1000ドルは明後日2000ドルにしてここへ持ってくるとの話。
もしうまくいかなくても元本だけは必ず返すとの口約束。
今の日本人ならほとんどの人は騙されないだろうと思うが、これが身内とか知り合いとかから、言葉巧みに言い寄られると怪しくなってくる人もいるのでは。
比嘉家
1000ドルが2000ドルになることで多少の余裕ができると考えていた比嘉家。
暢子は東京に行けると思い込み、この日の朝 お祝いにとフレンチトーストをみんなに振る舞う。
もう、すっかり料理人気取りで、東京へ行ったら銀座に住むとかレストランのコック長とかあることないこと様々な妄想が暴走。
しかし、女だけの会話の中で、賢秀のことが話題に上っていた。
昨日の夜帰らなかったこと、さらには1000ドルが2000ドルに化ける話は本当なのかどうかと。
比嘉家は賢秀がいることで家全体の運命も大きく変わることになりそう。
せっかく順調に返していた借金も元通りどころか、ひょっとしたら増えているかもしれない。
何よりもすぐに返すと言ってしまったお母さんはお金が入らなくなったときにどう対応すればいいんだろう。
何よりも、賢秀には甘すぎた対応がこんな結果を招いてしまった。
世の中の厳しさを多少なりとも教えていかなければ、苦労をさせたくないとかのびのび育てたいとか、純粋培養で人を育てるとこんなことになるという見本みたいな話し。
錯乱賢秀
賢秀は自分が騙されていたことを知ってついに錯乱する。
店の中で大暴れする賢秀。
実はこれがさらに問題を大きくする大変な事態に。
暴れた時に店の備品などを相当数破壊。
その損害賠償をしなければならない。
さらには店が休業するようなことがあればその保証も請求される。
そしてもう一つとんでもない付録が。
店で暴れた時、歌子の音楽教師 下地先生が同席していた。
その先生に暴力を振ったことで訴えられてしまった。
高校としては可能な限り穏便に済ませたいとの事だが、先生はそんな風には考えない。
ついには比嘉家の自宅にまで押し掛ける事態に。
逃げ回る賢秀に布をかぶせてかばおうとする母親。
なるほど、どこまでいっても自分の息子は可愛くて、守ってやらなければと考えるようだ。
本当は、厳しいようでも痛い目に合わなければ本人の成長にはならないんだけどね。
すべてが壊れてしまう時
今まで培ってきた様々な努力はどうやら皆台無しにされそうな雰囲気。
姉良子は必死に頑張って学校の先生になれたけれど、もし万が一兄が起訴されるようなことになれば学校の先生を続けていくことも苦しくなる。
そのことを涙ながらに賢秀に訴える。
兄が遊び呆けているときに自分は必死で努力をして先生になる夢を叶えた。
それが今兄のせいで場合によっては先生を辞めなければならない。
一体どうやって責任をとってくれるんだと。
賢秀にはほとんど責任能力はなさそう。
自分が悪かった。
申し訳ない。
この考え方が出てこないウチはこの先何をやったってろくなものにはならんね。
今日は、今週のエピソードは始まったばかり。
また、とんでもない問題提起で物語は描かれる。
沖縄を舞台にした「ちむどんどん」は、沖縄の人たちがこんなトラブルに巻き込まれていることを描くが、正直ギリギリ許せるかどうかと思う。
日本全国、騙されやすい人はいるけれど、沖縄でこんな話が描かれると、まさかと思いつつやりすぎではと思わないでもない。
明日以降の展開に注目するしかない。