今週始まった舞いあがれは先週から4年が経ったとの設定。
ナレーションの冒頭で、2013年とあった。
ちょうど今から10年前になる。
世の中は、記憶をたどればなんとなく安定していたような気がする。
東北の地震津波が2011年だったので、その2年後の話になる。
舞は営業職として、その実力を誰からも認められる存在。
特に、豊富な知識と父譲りの腰の低さ、何よりも相手の立場になって考えられて1番良い提案をしっかりと提示できる。
IWAKURAはここへきて順調な会社経営が成り立っている。
今日は、IWAKURAがどんな経営状態なのか、それぞれどんな風に仕事をしているのか、さらには物語の重要なコンセプト、空を飛ぶことについて。
桑原亮子さんの脚本は、物語が始まった頃のコンセプトを徐々に前面に打ち出しつつある。
さらには、デラシネを引き継いだ貴司はかつてのように奥の小上がりを子供たちに開放。
物語の中では、そこでの時間を過ごす少年少女も登場していた。
この世代の子供にとって、自分が安らげる隠れ家みたいな存在は宝物だったろう。
舞は父の夢をいよいよ自分が実現する時と行動を起こすことになる。
目次
営業 岩倉舞
営業は仕事をとってきてなんぼの世界。
重要なポイントは一般的にはアピール力だと思われがちだが、本当は相手が何を求めているかを上手に聞き出す力。
そして最適な提案と思われる品物をどれだけアピールできるか。
舞は取引先の求めているものがどんなものなのかを、会話の中から上手に推察していた。
営業としての彼女の力は社内でも、取引先でも間違いのない信頼を得ているような。
4年間頑張った結果はダテじゃない。
当初はパイロットになる夢から出発していたと思う。
夢を一旦封印して、実家の会社再建のために一肌脱ぐことに。
脚本家の桑原さんは、この辺のやりとりが得意なんだろうなと思う。
人同士の触れ合う部分の描き方がとても上手で、さらにかつてのストーリーにしっかりと布石が貼られているあたり、その実力がうかがえると言うもの。
IWAKURAの現実
順調に仕事を取り続けることで、会社の経営は安定。
工場の配置や人員などが明らかに不足がちになってきている。
物語で描かれた様子では、仕入れなども増やすような雰囲気で語られていたね。
取引先にとってもたくさん買ってもらえる会社は、理屈抜きにお得意さんなので、当然大切にもされる。
昔のエピソードを思い出してみたい。
浩太が社長だった頃、リーマンショックのあおりでパートのおばちゃんを退職させるしかなかった厳しい現実。
3人の後釜に舞が入って無給で働いたんだよね。
この頃の世の中のヒドさは本当になかったと思うので、このときの社長の気持ちや解雇された従業員の気持ちなど我がことのように思い出されるかも。
デラシネ
先週から4年経った設定の貴司。
決しておしゃれな感じは受けないが、芸術家としての匂いがプンプン。
聞けば、自分の詩を応募したいとの事。
貴司を見ていると、彼こそが舞の相手なんじゃなかろうかと思ってしまう。
最初は柏木が本名だと思った人も多かったと思うが、彼は今はもういない。
しかし、このまますんなり時間の経過だけで舞と貴司が一緒になるとも思えないよな。
社長と社員
舞は空を飛ぶ飛行機を見るたびに、父親のこと、自分自身の夢だったことを改めて思い返す。
父は自分の作った部品で飛行機を飛ばしてみたいと語っていた。
舞はパイロットになることが夢。
実現のために何をするべきか。
このときの舞は母親のめぐみを社長と呼んでいた。
明らかに家族としてではなく会社そのものをベースにした人間関係。
舞には夢実現のための下準備が着々となされていた。
これは、言ってみれば品質保証のマークと考えて良いだろう。
飛行機などの部品はこのマークが付いていなければ採用にはならない。
さらには、車などの部品も同じようなことが言えると思う。
車の生産ラインで働いた人の話を聞いたことがある。
ネジ一個なくしても始末書もんなんだよなと。
それぐらい厳しい管理で、部品は支給されていたと語っていた。
飛行機等はその最たるものだろう。
ここでの部品を製作することができるなら、父親の願いも叶うことになる。
舞の準備のための行動は、航空学校の頃から入念で落ち度がなかったように記憶。
今回も同じことを感じた。
舞いあがれはさらに物語が大きく前進しそう。