1週間の締めくくりとなるストーリーだから、それなりの進展があるんだろうなと思ってはいた。
しかし、どうなんだろう?
問題提起で終わった気がするね。
万太郎は、植物学教室で仲良くなった羽多野と藤丸と昔十徳長屋の堀井を誘ってすき焼きをご馳走。
すっかり打ち解けて話が盛り上がる。
意気投合した4人は、自分たちがやろうとしていることに思いを馳せる。
万太郎は、白梅堂での寿恵子とのやり取りで植物図鑑を作ろうと決意する。
今日はその発想に基づいた展開になるけど、この物語はそれだけでは済まない様々な他の事情が絡みついてくる。
植物図鑑を作るためには、様々な標本と絵が必要になってくる。
しかも説明文も付け足すと言う。
その仕事を成し遂げるためには、植物学教室の田邊教授の許可が必要と思われた。
さらには大きな話になるが、この当時の明治政府の様々な思惑も舞台を変えて話題に。
徳川幕府時代に締結した不平等条約の改正に明治政府は鹿鳴館を画策。
そこでしっかりと発展した日本を内外に披露できれば、条約改正にこぎつけるものと踏んでいた。
しかし、そのためには設備も必要で、さらにイベントに花を添える女性の参加者も募らなければならない状況。
ここに登場してくるのが寿恵子。
めいおばさんのはからいで和菓子を届けることになった彼女を見初めた実業家が1人。
薩摩出身の高藤。
彼が寿恵子と遭遇する様子がかなり意味深に描かれる。
目次
白梅堂
万太郎は寿恵子の前では思った以上に雄弁になれる。
植物のことを話し始めれば後から後から湧いてくる話題。
そこから思いついたのが自分なりの植物図鑑の発行。
植物の絵と説明文。
これらをセットにして誰もがわかるように発行することができれば、自分だけの独りよがりの研究ではなくなるわけで。
モデルの牧野富太郎博士は、最初にこれらの業績を成し遂げることで、世界的に有名な植物学者として活動することができた。
この時代、東大の植物学教室の教授だった田邊とは比較にならないほどの知名度が牧野博士にはあったようだ。
壮大なスケールの話だが、こんないきさつのエピソードで生まれるとは誰も考えない。
万太郎と意気投合した仲間たち
自分の計画を早速仲間たちに話す万太郎。
誘った仲間は羽多野と藤丸。
この2人が万太郎のかけがえのない仲間として既に物語の中では紹介されている。
今日のエピソードでは、そこにさらに十徳長屋の書生堀井も加わって、すき焼きで食事会。
すっかり仲良くなったよ。人はこれからどんなふうに研究を続けていくのかお互いに意見を出し合うことになる。
話題に上ったのは、雑誌を発行すること。
そこに新種の植物などを紹介することができれば、話題性は抜群で広く世の中に訴えることができる。
ただし、いろいろ考えてみると、東大の植物標本を利用することになるので、どうやら教授の許可をあらかじめ取っておく必要が。
田邊教授と万太郎の立ち位置
教授の考え方として美しくない不完全な植物標本は、記録として残すことができない。
周りがハラハラするのも無視して敢然と反論する万太郎。
植物はどんな状態でも美しい。
そして描いた1枚の絵を教授に見せる。
そこには発芽から最終的な成長形態までが記録された絵。
その絵を見て感慨深い田邊教授。
彼自身も目指そうとしていたものが、どうやらその1枚の絵からヒントを得たような。
教授が絵を眺めているシーンで映像のバックに轟いていた雷鳴は一体何の布石なんだろうかね。
雷鳴から想像できるものは突然の嵐とかに代表されるような驚きの事実を物語っているのかも。
鹿鳴館実行委員会
なぜ鹿鳴館を計画しているのか、理由が語られていた。
明治政府が統治、頭の痛い問題として不平等条約の改正があった。
そのためには、日本が他の国と引けを取らないほどの文化や技術力を持っているアピールが欲しい。
そのための手段が鹿鳴館。
そして、そこには政府要人と田邊教授の姿も。
どうやら、教授は鹿鳴館についての様々な計画に関わっているような雰囲気。
音楽関係で意見を述べていたと思ったね。
大学の彼の書斎には、バイオリンとか外国の書物等が並んでいたから。
西洋のものを取り入れれば、それが日本の発展のアピールになるのだろうと考えていたようだ。
その計画をいち早く察知していたのが寿恵子のおば。
そして、おばは寿恵子を玉の輿に載せるべく作戦を敢行。
寿恵子にお菓子を届けさせて、実業家高藤にアピール。
方法はあまりにもベタだけど、物語をしっかり見ていれば納得できる部分も多いかもしれない。
これらの様々な思惑が交錯する中で、万太郎がどんな風に関わっていけるのか。
明治の青春は、来週この続きを描くことによって、辺着が得られるのかも。