らんまんで描かれる万太郎たちの家族は3人になった。
万太郎
寿恵子
園子
今はまだ3人家族だが、この後どんどん増えるだろうと思われる。
モデルとなった寿衛さんは13人の子供を産んでいる。
実際に育ったのは7名だが、大家族だった事は間違いないだろう。
園子を愛でる万太郎は子煩悩そのもの。
そして、万太郎が愛する者は今までは草花と寿恵子だったがそれに園子が加わった。
そして、さりげなく語られたのは植物学に対峙する万太郎の様子。
万太郎と藤丸、羽多野は牛鍋屋で久しぶりに飲み会。
3人ともいわゆるすき焼きが大好きでおいしい肉には目がない。
その時の会話で万太郎の植物採集の様子が詳しく説明されていた。
田邊教授の採集旅行に同行した羽多野と藤丸によれば、万太郎は、他の学者たちとは、立ち位置が全く違っているらしい。
一番の特徴は、純粋に植物を愛している事。
そして、自分のやっている仕事が楽しくて、仕方がないこと。
大抵の場合、1つの分野で活躍している人たちは自分の仕事を心から愛している場合がほとんど。
いやいややる仕事では到底良い結果を出す事は叶わない。
物語の中では、ブラック田邊の夫婦の様子も語られていた。
こちらのほうもなかなか味わい深い。
目次
誕生 園子
万太郎たちにとって長女が生まれた事は生活が激変する。
夫婦2人だけの頃とは全く事情が異なるのだ。
寿恵子は乳飲み子を抱えることになるので、生活はかつてないほど大変に。
今までもかなり大変だったはずなのに、ここへ来て赤ちゃんが家にいる事はそれだけで彼女の時間は忙殺されてしまうだろう。
子供を向かえ入れるってのはそういうこと。
犬や猫の子供ではない、人間の子供なわけで育てることの大変さは親を経験した人なら誰もが口を揃えて言うはず。
しかし、子育ては大変なのは間違いないが、喜びと楽しさにも溢れている。
今までの大人だけの暮らしとは全く異なるのだ。
子供は、成長するにつけて言葉を話し立って歩き、そして大人たちとたどたどしく会話をする。
それを考えただけでにっこり笑ってしまう人も多いのでは。
田邊教授と妻聡子
ブラック田辺の夫婦のやりとりが描かれていた。
こちらは、旧態然とした夫婦の有り様。
妻は夫にかいがいしく仕える。
夫は妻が自分の世話をしてくれることが当たり前だと受け止めている。
今日は田邊が調べ物をしているときに聡子がいつもの晩酌用の洋酒を持ってやってきていた。
どんな酒なのか公にはされていないが、聡子のひと口飲んだ感想から見てスピリッツ系の強い酒だと推察。
ブラック田邊がピッツバーグ大学に留学していたことを考えると、アメリカのスピリッツ系の洋酒と言えば、バーボンだろうと勝手な憶測を。
確かに、あの酒だとフランスのコニャックやイギリスのスコッチ同様、相当強烈だと思う。
園子が屈託なく友達になった寿恵子や万太郎にあいたがっていたが、それを言葉静かに否定したブラック田邊。
槙野が我が家にやってくる事はもうない。
この言葉は田邊の本心。
万太郎の業績は間違いなく素晴らしいものだが、自分に敵対する勢力として激しく対抗心を燃やしている。
特に、ブラック田邊は政府の要人ともつながりが太くて、大学教授の身の上ながら政府の仕事も手がけている。
今日はそんな彼の仕事の一端も紹介されていた。
万太郎と藤丸 羽多野
3人が何かにつけて集まるのはこちらの牛鍋屋。
モデルとなった牧野博士も好きな食べ物はと聞かれれば、牛肉と即答で答えたようだ。
多分、初めて食べたときのおいしさが忘れられなかったんだろう。
当時の日本はすき焼きとは呼ばずに牛鍋と呼んでいた。
高級な大衆味覚として政治家を始め、一般庶民に至るまで大勢の人が堪能した日本の代表的な食文化。
この3人の親友関係は、物語の中でもとても大切な位置を占めている。
万太郎が植物に抱いている思いを彼らがまず真っ先に学んでいるのだ。
それは、名誉とか地位とか業績等といったこととは全く関係なく草花をかわいい美しいと純粋に愛でる気持ちで接している。
藤丸や羽多野の今まで付き合った人たちは、そういったこととは程遠い世界に生きていた。
植物学をどれだけ愛しているか?
万太郎は自分の娘園子の手足をスケッチして2人に見せていた。
2人に説明して聞かせる口ぶりだと、手足のパーツの可愛らしさは、草花の花弁や葉っぱの可愛らしさと全く同じもの。
藤丸も羽多野も万太郎から学ぶ事はとても多いはずだが、1番の収穫はこういった植物に対する接し方愛し方だろう。
この2人は、すべてモデルのいる人たちで、皆日本を代表する植物学者になっている。
特に羽多野は野宮と共同で裸子植物の精子を発見したことで、広く知られる。
ネタバラシできないと思いつつ野宮さんはこの後がかから植物学者に転身するのだ。
そんなこともこれからきっと描かれるだろうと思いつつ、このドラマの値打ちを再び受け止める私。