物語の設定は、昭和8年。
この当時梅丸少女歌劇団を始め日本国内には、いくつかの女性中心の演劇専門の団体が存在した。
1つは有名な宝塚歌劇団。
そして大阪では松竹歌劇団。
もう一つ東京にも歌劇団が存在した
桃色争議は東京の歌劇団と大阪の松竹歌劇団が同時期舞台をボイコットしたストライキについての1連の事件。
描かれたストーリー展開ではスズ子たちは高野山にこもったとされている。
この大阪組のメンバーの中にブギウギのモデル、笠置シズ子がいた。
東京では水の江瀧子が中心メンバーだったとされている。
調べてみたら、この頃の当事者だったレビューガールたちは皆10代の少女。
驚くほどの若さで正直びっくり以外のナニモノでもない🫢
エピソードの中では山寺の中にこもっていた団員たちを訪ねて、親たちが押し掛けた様子がユーモラスに描かれていた。
そしてさらにこの物語に長く登場しているそれぞれのメンバーについても、さらに詳しいエピソードが語られるように。
特に橘あおいと股野のやりとりは新しい展開だと言えるだろう。
そしてなんといってもリーダー格の大和礼子と梅丸の社長大熊との過去のエピソード。
今まで一切明かされてこなかった大和礼子の出自。
礼子とスズ子のやりとりは儚さとともに記憶に残る。
目次
山寺立てこもり
松竹が主催する歌劇団は、東京と大阪に2団体があった。
東京組の代表が水の江瀧子、当時18歳だったとされる。
今回の物語は大阪が舞台なので、東京の展開とは明らかに違っている。
大阪組は高野山に立てこもったようだ。
この物語に登場するメンバーは全てれっきとしたモデルがいるようだ。
紹介した写真の前列右から4人目がスズ子のモデル笠置シヅ子。
どうやら同じ大阪の宝塚歌劇団では、桃色争議は起こらなかったようだ。
昭和8年から9年にかけて、日本は昭和恐慌と呼ばれる未曾有の不景気に見舞われていた。
特に民間企業は会社を守るためにあらゆる手段を講じる必要が。
伝わった事実によると、会社側は団員たちの要求を受け入れたとあった。
しかし中心人物たちは責任を取って解雇されたと伝わる。
メンツを立てるためにそうなったのか、別な理由があって解雇したのかはわからないが、この物語でも同じようなことが展開されると想像する。
親たちの訪問
今日の物語の1番の見所は、親たちが訪れて、それぞれの団員達と楽しく食事をして語らい合う場面だろう。
特にスズ子の両親の賑やかなこと。
娘のスズ子が恥ずかしくなるぐらい。
礼子とスズ子の母ツヤとのやりとりは親ばかなツヤと困惑して恥ずかしさいっぱいのスズ子が対比した形でユーモアたっぷり。
質問に答えた礼子の発言もその場を和ませ将来に希望を抱かせる暖かいものだった。
礼子は家族たちへの挨拶の中で、今でも稽古だけはきっちり欠かさず行っていることを報告。
そして、赤ペラながら家族たちへ楽曲を披露したりもしていた。
物語の中でも彼女たちの本気度が絶妙に伝わってくるシーンだったね。
礼子とスズ子
礼子のモデルになったのは、当時の大スター飛鳥明子のようだ。
調べてみると驚くなかれ。その彼女は29歳で亡くなっている。
歌劇団を退団した後、楽団員だったギタリストと結婚したとあった。
そして、最初の子供を産んだ後そのまま亡くなってしまったと聞いている。
どうやら結核に感染してしまったような。
おそらくこの物語の中でも礼子は似たような人生を歩むものと思われる。
そうなれば礼子の相手はあのピアニストの股野しかいないではないか。
そしてそのことを示唆するようなあおいと股野のやりとり。
なぜこのストライキに参加しなかった2人のエピソードがここで描かれるんだろうと疑問を抱いてしまう。
スズ子は自分の両親の振る舞いを恥ずかしいと考えてはいたが、礼子はうらやましいときっぱり。
どうやら礼子の生い立ちでは、両親との思い出もほとんどなかったような。
それぞれの過去
物語の中で描かれたエピソードは礼子がまだ少女の頃、大熊社長に見い出されたときの様子が描かれていた。
1人ダンスを踊っていた少女は遠目にしか写っていなかったが、プロのバレリーナだと思う。
その子が社長に見出されて劇団に加わったようだ。
今日の物語で描かれたのはそこまで。
この後もし史実の通りになるのなら、歌劇団の要求は受け入れられ礼子は退団することになるはず。
まさかそんな結末になるとは想像しにくいと思いつつ、物語に求められるのは鑑賞している者たちの度肝を抜くような展開。
ありえない話とは言えないのだ。
物語の展開から見て、今週中に結論が出るような気がする。
スズ子はこの後、恋愛を経験して子供を1人産むことになる。
そのエピソードを描く都合上手前でのんびり足踏みは許されないだろう。
今週はこの物語の転換点ともなるべきエピソードが目白押し。
両親の実家に里帰りする話も待ち受けているので、目の離せない時間が多い。