今週のエピソードは、2日目にして新しい流れが明らかになってきたと思う。
山寺にこもってから、しばらく時間の経ったところでスズ子たちや公演のできなくなった梅丸の会社は、事態打破のために何かをしなければならなかった。
何といっても公演を待ちわびて梅丸劇場に押し寄せる熱心なファンたちを待たせ続けることにはならなかった。
毎日押し寄せるファンたちのために会社員は皆総出でひたすら謝罪会見を。
そしてある時、大熊社長自らが押し寄せたファンたちの前で挨拶を。
ご迷惑をおかけしている。
もうすぐ再開の予定なので。
それは社長に並々ならぬ決意があることを匂わせた。
登場人物たちそれぞれのさらに詳しいエピソードも今日は明らかになった。
大和礼子がどのようにして梅丸歌劇団にやってきたのか?
そして梅丸の本社で悩みを抱えていたピアニストの股野。
彼も重大な決断を秘めて、礼子たちがこもる山寺へ向かった。
そうしているうちに、林部長と橘あおいも山寺を訪れることになった。
どうやら会社内で重大な方針が発表されたような。
概ね検討のつく内容だけど、何もかもが丸く収まるわけではなさそう。
目次
礼子の過去
礼子がスズ子の質問に答える形で、自らの過去を語った。
自分がダンスをやりたいとして、習ったときに親から反対されたんだそう。
その時どうしても続けたくて家を飛び出したと。
ほとんど一文なしな状態だったから梅丸も花咲も受験費用すらなかったと語った。
たまたまダンスの先生と梅丸の社長が知り合いだったこともあって、その時初めて大熊社長と会ったようだ。
社長曰く
親に反対されて辞めた子をたくさん見てきた
家を飛び出してまでやりたがるのはめったにおらん。
この先は、自分が親代わり。
金の心配は要らないからしっかり頑張れ。
これが縁で埋まる少女歌劇団に入団したようだ。
もちろん親には反対されたままだったろう。
礼子は寝る間も惜しんで練習したようだ。
その結果が今の地位。
股野が決断をするとき
股野とあおいのやりとりが物語の中で詳しく語られていた。
股野は自分の身の安全を図るためにうまい具合に会社に残り、さらにストライキにも参加しない消極的な姿勢を続けていたが。
あおいに言われただけでなく、自分自ら意義のある行動をしなければと思ったようだ。
会社を辞めて自らオーケストラを目指すことを宣言する。
同時に礼子にも恋心を告白。
物語を見ていて感じたのは、礼子は股野にしてまんざらでもないってこと。
今はそれどころじゃないと語ったのは、もし2人とも事情が許すなら付き合ってもいい位の事は思っているような雰囲気。
物語のモデルになった史実によれば、この2人はこの後一緒になるはず。
ただし、礼子のモデルになった人は29歳の若さで亡くなってしまうのだが。
この物語にも同じような展開が創造される。
このエピソードを描くことによって、ブギウギはこれからの物語の展開に1つの方向性を示した可能性が。
今までトップスターとしてステージに上がり続けていた先輩たちがいなくなってしまって、その後の世代がステージを引き継ぐのではなかろうか。
物語を見続けなければ伝わってこない。
あおいと大熊社長
あおいは社長に対して意を決して進言していた。
それは礼子の覚悟は、会社と差し違えるつもりであること。
そして礼子は梅丸にはどうしても必要な人間なので、なんとしても残してほしい。
もし必要なら私をクビにすることで、礼子を残してほしいと。
あおいも必死で呼びかけていたが、社長の答えは驚くほど明快なものだった。
落としどころ
物語の中では、決定事項としては語られなかったが、社長の胸の内が詳しく紹介されていたね。
礼子は退団してもらうしかない。
社員の手前もあるし、本人も残れるとは考えていないだろう。
社長にしてみれば娘同様に可愛がってきた大和礼子。
ここへ来て、梅丸少女歌劇団は重大な決断を下したことになる。
おそらく明日以降のエピソードで詳しく語られるようになるのでは。
会社が礼子を対談させると知ったことで、あおいも相応な覚悟を決めていたものと思われる。
礼子のいない梅丸にあおいが残るとは考えにくい。
社長はトップスターを止めさせる代わりに女の子たちの要望を全て飲むと言っていた。
つまりストライキによって掲げられた目標は全て達成されたことになる。
もっとも無傷と言うわけにはいかなかったが。
物語のこれからで語られるとすれば、礼子たちのこれからの様子。
そしてスズ子たち後輩がどのようにしてステージを盛り上げていくのか。
物語は昭和8年から9年にかけて。
日本は軍国主義に傾きつつある。
昭和16年には太平洋戦争が始まってしまうのだ。
それ以前の国内は歴史にもよく伝わった通り、芸術活動などは不遇の時代が続くことになる。