物語の1番の見所と言ってもイイシーンが今日描かれることになった。
愛助は様々なプレッシャーの中、母親からの手紙の励ましを受けていよいよ行動に出る。
スズ子に交際申し込みの挨拶を。
そこに至るまでにどれだけ悩み苦しんだか。
対するスズ子も愛助のことを考えると、仕事も何も手につかない。
何を聞かれても上の空で、仮に何かをしてもおよそ集中できていない。
愛助の母親村山興業の女社長村山トミは息子が今何を考え何を感じて何を悩んでいるかお見通しだった。
さすが母親という所だが、愛助は母親からの手紙を励みに前進することになる。
何よりもスズ子にきちんと向き合い、交際宣言すること。
自分で決め自分で行動するそしてそれは間違っていないと確信するに至った。
2人が向き合ってお互いの気持ちを正直に話し合うシーン。
それぞれが自分が相手にふさわしい存在になろうと決意表明。
物語はハッピーエンドで完結しそうに思えるが。
しかし、時代背景やそれぞれの生活環境や与えられた役割を考えると、どうやらそんな簡単な問題でもなさそう。
スズ子は楽団を抱えていて、巡業に忙しい。
愛助はまだ学生の身分でおぼっちゃま以外の何物でもない。
2人は心の赴くままに、自分の決めた道を進もうとしている。
目次
スズ子 上の空
結局のところスズ子にできる事は待つこと以外になかったわけで。
愛助が村山興業の跡取り息子でこれからのことを考えれば、少なくとも女性と戯れている暇などあるはずもなく。
“じっくり考えてみます”と言った愛助の言葉を信用して自らはひたすらじっと辛抱する。
それにしても毎日暮らす中で頭をよぎるのは愛助のことばかり。
誰かに話しかけられても、すぐに返事はできないし、この調子ではただ切ない気持ちが募るばかり。
スズ子が愛助を心から好きなのは間違いない事実なだけにね。
スズ子がそんなに好きならきっと愛助はいい人に違いない。
小夜は過去の経験から男に対して根強い不信感を持っている。
年齢こそスズ子がかなり年上にもかかわらず、小夜は男女のことに関して思った以上に経験豊富なようだ。
小夜は男の下心や口先からでまかせを言う良くない部分を散々見せられてここまで生きてきた。
愛助を認めるまでずいぶん時間がかかったようだが、はっきり言えば女性は男に対してこれくらい用心深くてもいいとさえ思ってしまう。
くだらない男は世の中に山ほどいると思うので、そんな男をつかまないためにも女性は厳しいセキュリティーがあってしかるべきと感じてしまう。
羽鳥善一夫妻の励まし
スズ子は待つ身の辛さで善一夫婦に、自分自身の事情を説明。
自分がこれからどんなふうにすればいいのかをアドバイスしてほしいと思ったようだ。
しかし、善一夫婦の反応は全く違っていた。
スズ子の恋バナを面白がっているような。
全く相談にも答えにもなっていない。
いつ結婚するの?
そんなこと言われたって答えようがない。
ただ奥さんの麻里さんの一言だけが励ましになったようだ。
今は待つしかないわね😓
羽鳥善一は自分自身もやりたい音楽をできずにストレスが溜まっていると語っていた。
特に彼のスタンスはジャズなので、敵性音楽として目の仇にされていた事情がある。
もちろんスズ子も歌える歌は限られるし、パフォーマンスにも厳しい制限がかかっていたものと思われた。
愛助の母 村山トミ
母親からの手紙を噛み締めるように読んだ愛助。
母親は愛助が今何を考え何を感じているか千里眼のように全て見通していた。
それは、
果物でも人間でも良いものは腐りやすい。
それだけ敏感で感じやすいということ。
決して間違っているわけではなくて、それこそが優れた人間の証
母親がそのように育てたのだから、今考えていること感じていることに素直に生きなさいと。
なるほど、今悩み苦しんでいる事は決して誤りではない。
そうであれば、自分が愛して止まない福来スズ子と交際することは自分の気持ちのままに行動する。
母親の励ましは、愛助にとっては恋の後押しに。
スズ子と愛助の船出
2人の出会いはほぼ運命と言って良いのかも。
恋心に理由なんかないだろうと言うのが私の意見。
2人はお互いを認め合うと同時に一緒にいたいと思うようになったはず。
愛助の告白の様子が大勢のギャラリーが見守る中しっかり語られていた。
スズ子さんにふさわしい男になってみせる。
愛助さんが大好きです❤️
楽団が見守る中、2人は恋人として同じ方向に歩み始める。
もちろん前途多難な事は2人とも先刻ご承知だろう。
モデルの笠置シヅ子の場合を考えると、2人が共に過ごせたのはわずか半年ほどだと聞いている。
戦争も一段と厳しさを増している中燃え上がった2人の男女はひたすら前進するしかない。