残り2週分となったブギウギ。
最終週の一つ前は何が描かれたのか?
ズバリ一言で言うならば、世代交代。
今や大歌手となった福来スズ子は、向かうところ敵なしと思われた。
歌手としての人気を独り占めにしていると思われたスズ子もフタを開けてみれば既に42歳。
若い時から繰り広げてきたステージ上の激しいパフォーマンスは、さすがに体に堪える年頃。
そんな中、強力なライバルが出現。
水城アユミ
10代の駆け出しながら、既に歌の実力は充分。
そしてステージ上でお客さんの心をつかむ何かも心得ている。
若さ溢れるエネルギーと確かな実力。
スズ子にとって、戦えば勝ち目のない大変な相手が出てきた。
さらには水城アユミはかつてスズ子が憧れてやまなかったUSK時代の大先輩の忘形見なことも判明。
母親父親共にスズ子には顔なじみ。
今週の物語は強力なライバルが出現したことによって、スズ子が思わずたじろいでしまう様子、そして目立たないながらも、逃げ回る様子がそれとなく描かれる。
今週1番の見所になったのはアユミと共にステージ上で歌うことを競い合うシーン。
昭和31年の大晦日に行われた男女歌合戦の舞台に
アユミはスズ子の楽曲「ラッパと娘」
スズ子は「ヘイヘイブギ」で一騎打ちをする形に。
甲乙つけ難い対戦だが、アユミとスズ子の心にはそれぞれ去来するものが。
目次
スズ子のライバル出現
物語の設定は、昭和31年秋。
この頃スズ子は相変わらずの芸能活動を続けていたが、自分の人気が落ちめな事は承知していた。
主なものは歌手活動で、ステージやコンサートなどが中心になるが、他にも別な舞台やラジオの番組などがあった可能性も。
スズ子は本業は歌手ながらオールマイティーな活躍のできる芸能人だった事は言うまでもない。
現れたライバル水城アユミはUSK時代の大和礼子の娘。
スズ子曰く、アユミは母親の面影があって何よりも近寄りがたい凛とした雰囲気はそのままだと語る。
彼女がこの物語に登場した頃は、まだ彼女自身の歌声は発表されていなかったが、物語の中ではスズ子は既に歌を聴いていると語られていた。
やはり実力は間違いない。
この申し入れでスズ子は自分が本当は彼女に歌わせたくないと密かに考えるように。
ラッパと娘はスズ子にとっても大切な曲。
羽鳥善一にこれでもかと言うほどダメ出しされて鍛え抜かれた楽曲。
依頼に対して答えられないスズ子は周りの人に助け舟を求める。
1週間の要になる部分が、この辺のエピソード。
福来家は大家族
福来家は先週描かれた誘拐事件の犯人も一緒に暮らすことになった。
犯人小田島の真面目でけな気な反応がスズ子の義理と人情の琴線に触れる。
庭師として雇い入れることになったのだ。
福来家は家政婦の大野さん、マネージャータケシ、そして小田島親子の大所帯。
小田島がいることで、愛子は親友一君といつも一緒にいられる。
友達が一緒にいることを望んだのは愛子だけでなく、スズ子もよかれと思っていたようだ。
水城アユミの頼み事
水城アユミは子供の頃から父親に母親の事やスズ子の事を聞かされて育ったそうな。
アユミは辛いことがあったときはスズ子の歌声に励まされて頑張ることができたと語る。
そして自分も同じように歌手になろうと決意。
決意させた曲が「ラッパと娘」だったらしい。
この曲は戦前の発表でかなり古いことだけは確か。
しかしジャズテイストで味付けされたこの曲を違和感なく存分に表現できたのは彼女だけ。
福来スズ子は自分自身の世界の独壇場に存在。
新旧対決のあと先
アユミのラッパと娘はこのときの放送で初めて披露される。
歌声も去ることながら、踊りの凄いこと。
確かに若い頃のスズ子を彷彿とさせる。
スズ子が歌ったのは、ヘイヘイブギ。
ラッパと娘とは一味違う楽曲で観客に多いにアピール。
ステージ上で観客と一体になる歌手。
アユミとスズ子のパフォーマンスを比べれば、簡単に優劣など付けがたい。
ここから先は好みの問題に。
アユミはスズ子に負けないような歌唱を披露したつもりだが、ステージの奥深さを改めて思い知らされる。
彼女のキャリアはまだ始まったばかりだから、これから学ぶべき事はとてつもなく多い。
既に峠を越えたスズ子の歌声だが、自分が学ぶべきことがまだまだあることを痛感。
今週のエピソードの後は、来週の予告編が紹介。
やはりスズ子は歌手を辞めることになりそうだ。
きっかけはやはり年末の男女歌合戦が引き金になったはず。
アユミの登場で自分の時代が終わったと感じたんだろうね。
モデルの笠置シズ子もこの頃歌手を辞めている。
最後の1週間、スズ子は歌手を引退、後始末について詳しく語られるんだろう。