さて、いよいよ長年務めた東洋動画を退職してマコプロダクションへ。
ここからやっと自分が目指すべきやりたい作品に関わることに。
この当時の東洋動画出身者は実力者ぞろいで、名前の知れたアニメーターは皆ここで鍛えられた経緯がある。
なつぞらは、いよいよ最後のエピソードに関わることに。
目次
思い出の東洋動画
東洋動画、すなわち東映動画のこと。
今見ても、日本のアニメーションを発展させた草分けとなる人たちが顔を連ねる。
しかし、普通の人ならば知っている人は数人に限られるのではないか。
有名なところでは宮崎駿、高畑勲ぐらいだろうか。
この中に出てくる中村和子さんとか、奥山玲子さん、そういった人たちはなつぞらが始まったことによって知られたメンバーかも。
なつが東洋動画でテレビ用アニメでいくつかの作品を成功させてきた。
手がけたのが
- 魔法少女アニー
- キックジャガー
- 魔界の番長
これら3つの作品をことごとく成功させてきた。
その実績があるゆえに、社長自らが
「多大な貢献をありがとう。」と言わしめるほど。
仲さんはじめ、井戸原さん、部長など皆が感謝し敬意を表していた。
“立つ鳥跡を濁さず”じゃないが、なかなかそうはいかないもの。
優ちゃんの子育てをしたり、一久さんの退職など安定した日々などなかったのだが。
何といってもアニメーションにかける情熱。
このことが最後まで一貫して変わらなかった。
そして一旦は陰りの見えた情熱も、天陽君の死去によってまた復活することとなったのだ。
この物語はなつと天陽君の絵に対する情熱が物語の根底にセッティングされていて、様々なエピソードは、そこからの出発と考えて良いのだ。
お互い初恋同士のこの2人は、それぞれ別の伴侶と結婚しているが、生涯を通しての芸術仲間と言えるだろう。
北海道の同じ故郷の2人。
なつぞらはそのような男女の仲間の物語なのかも。
マコプロダクションの本気度
いよいよ、大草原の少女ソラが始まる 。
自分たちで企画して、自分たちで作り上げる。
彼らが本当にやりたかった仕事。
演出は“坂場一久”。
作画監督は“奥原なつ”。
そして色彩と仕上げのチェックが“ももっち”。
作品の美術監督としてなんと“山田陽平”。
同じ東洋動画出身で、“天陽君のお兄さん”。
十勝発の物語を作るのであれば、彼が全体の背景に関わるイメージを作るのは自然なこと。
一久さんもなつも陽平さん以外の美術監督は考えられないとの意見だったのだ。
ここへ来て東洋動画は多くの優秀な人材が抜け出たことになる。
これは会社がまずかったわけではないだろう。
アニメーション制作のようなクリエイティブな仕事を会社組織で作っていくことに、やはり無理があったと言うこと。
経営その他は、資本主義社会なので当然重要なポイントだが、作品を作るとなると、損得とか利益とか作品制作にはほとんど関わっては来れない。
アニメーターたちは自分たちの情熱がいかに作品に反映されるか、そのことが最も重要な問題で、会社組織はそこに答えを出してあげられなかったことが問題だったのかも。
ところで、マコプロダクションでのマコさんは主な仕事としては、プロデューサーみたいなことをやっていた。
つまりテレビ局やスポンサー等から作品のオファーを取り付ける。
またこちらの会社はマコさんの個人経営で、その資金繰りなどもほとんど描かれてはいないが、経営者としては大いに気になるところだろう。
赤字などを出せないわけだし、なんといっても収支決算が健全でなければとても会社経営などやれるはずは無い。
さて、番組の中では3代目カポネがどうやら順調な様子 。
詳しく掘り下げてはいないので話題にも出てこないが、これからは“大草原の少女ソラ”にエネルギーを集中していくことに。
十勝の物語にはなるのだが、世界中のどの国で見ても違和感がないように、特定の場所とか日本的な名前とかをなるべく避ける形で作られるようだ。
十勝へロケハン
いよいよ、マコプロダクションのメンバー全員で十勝へロケハンに出かけることに。
実はロケハンの話が出たときにマコさんから“予算がない!”との報告が。
会社経営者としての本音がここでポロリ。
経営者の仕事としては、お金をどこから持ってきてどこへ送り届けるのか。
これはとても重要な問題で、これを考えない経営者はいない。
新しい送り届け先ができたときに、どこからお金を持ってくるのか。
切なく厳しい問題ではある。
ここでなつから提案が。
交通費だけ何とかできれば、宿泊その他は十勝で何とかなるかもと。
勝手な想像だが、十勝の柴田牧場か、農協に宿泊するのではないか。
柴田牧場はなつの実家だが、およそ食べるものなどロケハンメンバーの分ぐらい十分用意できそうだ。
ロケハンなので、開拓者の生の声を実際に聞いてみることが行われるようなのだ。
それは圧倒的存在感の“泰樹さん”。
彼から話を聞き出すことになるはず。
予告編であった通り。
なつぞらの核心部分は明日以降の物語となりそうだ。