吹奏楽経験者の私にとっては様々な管楽器は皆おなじみ。
その中でも木管楽器を代表するのはクラリネット。
オーケストラの中ではせいぜい数人でパートを受け持っているに過ぎないが、実は吹奏楽になるとオーケストラのバイオリンの役目を担う。
つまり吹奏楽のバイオリンの部分はクラリネットが受け持っている。
大抵の場合ファースト、セカンド、サードとポジションは3つぐらいに分かれるはず。
この楽器はごく当たり前のように接してきたので、改めて振り返ってみると新しい発見もいっぱいあるのだ。
中学や高校生の頃は当たり前のように音を聞いていたが
ずいぶん昔になるが楽器のカタログでクラリネットの値段を調べたことがあった。
中学生高校生レベルが使う楽器だと、大体50,000円から100,000円以内で手に入ったと思う。
今調べてみてわかったのだが、ヤマハの気の利いたものだと軽く100,000円を超える。
またクラリネットの有名メーカーだと私が知っているのはクランポン社だが、ここの高級なバージョンだと軽く100万円を超える。
もちろんヤマハも高級なものだと100万円を超える。
そして数あるクラリネットの中でも吹奏楽やオーケストラで使われるバスクラリネットになるとさらに5割増と言えるかな。
あちなみに今はクラリネットの本体の材質はプラスチック製もあると聞いている。
当然値段は安い。
このタイプの木管楽器は普通 黒檀を使う。
この木材は、仏壇などによく用いられる高級木材。
よく乾燥させて狂いがなくなった状態で加工を始める。
結論から言うと、驚くほど硬いので加工は専門職でなければ到底できるものではない。
クラリネットではあまり見かけないがバスーンとか大型の木管楽器だと紫檀を使う場合もある。
色が淡い紫色なのですぐにわかる。
クラリネットはとにかく真っ黒な楽器。
本体はおよそ3つに分解。
分解されたところはコルクを巻いてあってねじ込む形で使用する。
確か、昔修理しているところを見たことがあるんだけれど、このコルクが痛むときっちりと密閉しないので、このコルクをカッターナイフできれいに剥がしてさらに磨いた後で新しいコルクを貼り付ける。
接着剤が乾いてから少量のワセリンをつけてねじ込む。
講習会とかもあったりして、コルクのカットの仕方とか習ったような気が。
楽器の持ち味はダイナミックレンジの大きさかな
慣れないうちはすぐには音は出ないけれど、練習を繰り返すうちに聞こえないくらいの小さな音から大きな音までカバーすることができる。
熟練したプロの演奏を聞くとまさに自由自在に楽器を操ることが見てとれる。
YouTubeで検索したスウェーデン出身のこの演奏家の演奏を聞いてみるとよくわかる。
Martin Fröst and VFCO play Giora Feidman "Let's be happy" (Klezmer tune) - Verbier Festival 2010
まさに脂の乗り切った演奏。
クラリネットの可能性が遺憾なく発揮されているとは思わないか。
演奏したい人がこだわるべきアイテム
YouTubeを見ていると様々な楽器についてのメンテナンスとか演奏方法についてアップした画像を見ることが。
その中にあったのだが、クラリネットの中でも息を吹き込む部分。
つまりマウスピースと、リガチャー、リードだけは初心者といえども自前のものを用意すべきだとあった。
この辺がいい加減だとまともな音が出るとも思えないので。
私は金管楽器の出身だが、自分自身の求める音のためにわざわざ自分専用のマウスピースをなけなしのお金をはたいて買っていた。
楽器についているものを使ってももちろん良いのだが、たいていの演奏家、それは中学生高校生レベルであっても、自分自身の気に入ったマウスピースを使うようにしたほうがはるかに上達は早そう。
著名な演奏家を検索
実はこの2人は2人ともジャズのミュージシャン。
日本とアメリカのクラリネット奏者。
その中でも、ベニーグッドマンはクラリネットの代名詞とも言うべきスイングジャズの大御所。
Benny Goodman 「Sing Sing Sing」 1957 ベニー・グッドマン
かなり古い演奏だが、ちょうど画像の55秒あたりからグッドマン本人が演奏を始める。
曲目はスイングスイングスイングなので、私が注目している京都の橘高校もよく演目として選んでいる。
そのオリジナルとも言うべき演奏。
クラリネットの持ち味が遺憾なく発揮されていると言える。
グリッサンドや、pp ffに至るまでクラリネットの魅力が満載だろう。
この時代のジャズミュージシャンの中では彼が白人であることもかなり珍しいと言える。
この時代だと大抵の場合黒人のミュージシャンが多かったもので。
しかし、様々なジャンルで活躍するクラリネットはこうしてみるとポピュラーな楽器と言えるだろう。
私にとっては吹奏楽でとてもなじみなので、思い出すことしきり。