今回始まった朝ドラは沖縄が舞台。
現在10歳の少女が、東京へ出て沖縄料理の店を開いて、様々な沖縄の魅力を発信するストーリーになりそうだ。
舞台設定が昭和39年(1964年)。
まだアメリカ軍統治下にあった沖縄は、日本のようでもあり実際は日本とは大きく異なっていたはず。
思い出されるのは沖縄がどれほど過酷な歴史の中で生き抜いてきたか、そして沖縄県民がどれほどの苦難の中で今日まで至っているか。
そのことは私が知る限りの範囲でも想像を絶するものがあって、それを素通りして今回の物語を単純に楽しむことにはならないと考えた。
私なりに、沖縄がどんなものなのかをもう一度考察してみたい。
目次
太平洋戦争と沖縄
太平洋戦争末期、沖縄はアメリカ軍の上陸作戦によって何万人もの死傷者を出すことになった。
作戦は容赦のない艦砲射撃に始まって、上陸作戦に引き継がれる。
沖縄では、一般市民も軍属も関係なく攻撃の対象にされた。
今更アメリカを非難してもしょうがないが、これは無差別殺人以外の何物でもない。
太平洋戦争末期には大勢の一般市民が虐殺される大きな事件がいくつか起こっている。
第一に挙げられるのは広島長崎への原爆投下
この時一瞬にして両方で20万人以上が瞬時に死ぬことになった。
また原爆投下の前には東京大空襲があってこの時にも10万人を超える人がなくなったと聞いている。
これらの3つの惨劇に匹敵するのが沖縄上陸作戦で発生した犠牲者。
確か沖縄の人口の3分の1程度の人が亡くなったと記憶。
記録に残っているだけで12万2千人とあった。
まごうこと無きホロコーストと言えるだろう。
さて、日本ではこの沖縄を守るべき天一号作戦が昭和20年の4月に敢行された。
つまり、九州から出港した戦艦大和が沖縄までたどり着いて、船体ごと沖縄の海岸に乗り上げてアメリカ軍を迎え撃つという。
朝6時半ごろ出港した大和はおよそ半日経った頃、アメリカ軍の攻撃を受けて2時間経たずに沈没させられた。
沖縄とは直接関係ないが、当時の日本軍の惨状を表現するのに必ずと言っていいほど紹介されるエピソード。
当時日本が繰り出す主な作戦はことごとく失敗。
いたずらに疲弊し、消耗し、一般市民の犠牲者も全体では310万人。
Googleで検索すれば当時の写真など思うがままに取得することができる。
沖縄での様子はわかりやすい点で、カラー写真を採用させていただいた。
搾取され虐待された歴史
沖縄戦での様子は文献でも何度も拝見したことがある。
上陸作戦が始まってからはアメリカ軍の作戦はほぼ無差別攻撃で根絶やしを目的にしていたようだ。
写真は戦車が沖縄の家屋をなぎ倒す様子。
住民は中にいないだろうと推察するが、もしいた場合は間違いなく即死する。
アメリカ軍はこの沖縄戦でおよそ1万人以上の犠牲者を出している。
アメリカにとっても大変な作戦だった。
この時、捕虜になった人たちは間違いなく助けられたはずだが、捕虜になることを拒んで亡くなった人も相当数いたと聞いている。
当時の住民にとって、洞穴に逃げ込んだ場合、日本の軍人も自分たちにとって敵対行動をとる場合があったと何かで聞いたことが。
10歳位の少年が黒砂糖を食べようとしたところ、軍人に取り上げられそうになった。
抵抗した少年は、その場でその軍人に射殺されたと聞いている。
こういったエピソードはあちこちであったようだ。
洞穴に逃げ込んだ場合のアメリカ軍の作戦は火炎放射器。
中にいる人たちを無差別に焼き殺すしかなかったようだ。
アメリカ軍にとっても、地の利がない場所での戦となれば、こういった作戦を取るしかなかったのかもしれない。
沖縄は洞窟とかが多くて、逃げ込むには最適な場所が複数カ所あったと聞いている。
しかし、それは火炎放射器の餌食になった事は言うまでもない。
北海道と沖縄
沖縄の人たちは沖縄以外の日本の国を、本土と呼ぶ。
沖縄は日本とは全く別な存在だと認識していることに他ならない。
ちなみに私の住む北海道では本州以南のことを内地と呼ぶ。
要するに北海道は外地。
世界の外側と言う意味に解釈されるだろうかね。
北海道も沖縄も太平洋戦争中は本州その他と変わらないほど大きな被害を受けたが、北海道の大きな特徴としては、戦争は8月15日以降も容赦なく続けられたってこと。
北方のアッツ諸島などは、8月末で玉砕している。
また樺太からの引き上げ船は終戦後であったにもかかわらず、ソ連の潜水艦に撃沈された。
沈没船から海に投げ落とされた人たちは、浮上した潜水艦の機銃掃射で皆殺しにされたと聞いている。
アメリカは極悪非道な行動を数限りなく行ってきたが、旧ソ連(ロシア)もそれに匹敵するかそれ以上の悪行非道を働いた。
今となっては犠牲となった人たちをお弔いする以外に何の方法も見出せない。
沖縄も北海道も太平洋戦争の犠牲者と言う点では共通に遺族なんだろうと考える。
それは日本全国民が同じレベルだと思っても過言ではないだろう。
齢70歳にして思うこと
昨今のテレビの報道でロシアとウクライナの悲惨な戦争が報じられることが多い。
ロシアの大統領などを見ていても、過去の戦争体験から何一つ学んでいない。
プーチン大統領の頭の中はロシアの領土拡大、他者への侵略。
そして目的達成のためには平気で嘘をつく。
今世界中にいる少年少女には決して真似して欲しくない大人の浅ましい姿だと。
私の世代の似たような特徴として、他の人たちの蛮行を見たときにひょっとしたら自分も片棒を担いでいるのではと思ってしまうこと。
対岸の火事では済まされないことが周りで起こっていることを強く認識しなければと思う。