ブギウギは年末なこともあって、変則的な放送スケジュールが組まれている。
今週のエピソードは今日で一段落する。
そして年明けは1月4日から新たなエピソードが構成される。
時代は戦争末期、物語の内容から考えると、昭和20年3月頃と思われる。
この時東京は大空襲に見舞われた。
B 29の大編隊がやってきて、上野浅草を始め東京の木造住宅の密集する住宅地を根絶やしにした。
焼夷弾を絨毯爆撃で投下し、一面焼け野原となった大惨事。
記録ではおよそ10万人がなくなったとされている。
はっきり言えば、この後やってくる広島と長崎の原爆投下に匹敵するほどの死者がこの時発生している。
太平洋戦争全体で死者数を見たときに、トータルでは310万人がなくなったとされるが、その大半は戦争の末期に集中するのだ。
最初の頃は、軍族が主に犠牲になっていたが、後半に入るにつれて一般市民が容赦なく殺戮された。
このブログでこんなことを言うのは情けない話だが、
これはいわゆるハーグ陸戦協定と言う戦争行為に関わる取り決めに明らかに違反している。
無抵抗の市民を攻撃してはならない。
もっとも戦争なんて初めから人殺しなんで、ルールもクソもないとは思うけど。
さて、東京に戻ったスズ子は大惨事を目の当たりにして震え上がった。
真っ先にいろんな人たちの安否を確認する。
最愛の人愛助が無事だった。
なにものにも変えがたい喜び❤️
そして物語は日常茶飯事で行われる空襲による防空壕避難の様子でスズ子の新たな出発が描かれることになる。
目次
東京大空襲の爪痕
東京まで戻ったスズ子が見た景色は一面焼け野原になった無残な様子。
かつて下宿のあったところは全て瓦礫の山。
下宿の小村夫妻の安否もわからない。
ネットで検索すると、東京大空襲の悲惨な状況がつぶさに記録として残っている。
亡くなられた人たちの写真も多数存在するがほとんど焼死体。
さすがにブログにアップするのをはばかられたので、代表的なもの1枚だけ紹介させていただいた。
アメリカ軍が使った焼夷弾は、安価で殺戮効果の高い爆弾として多用された。
太平洋戦争では焼夷弾と呼ばれたが、ベトナム戦争時代からはナパーム弾と呼ばれた。
どちらも無差別な焦土作戦に用いられる。
戦争に勝つためには、手段を選ばない。
それは今でも変わらない真実だろうと思う。
ウクライナやパレスチナで起こっている戦争もブギウギで描かれた戦争も基本は同じ。
大勢の罪なき人々が無差別に殺される。
スズ子も愛助もそんな時代をリアルタイムで生きている。
再会 愛助
三鷹の自宅に戻ったところが愛助は無事でなんともなかった。
東京の惨状を見たスズ子は思わず愛助に抱きつく。
心配で仕方がなかったんだろう。
彼女の一途な気持ちがよく現れていたと思う。
スズ子は思う。
もうどこへも出かけたくない。
愛助と共にここで2人一緒に暮らす。
離れとうない。
東京から帰ったスズ子が真っ先に考えたこととして全く理解できる。
スズ子の本音
スズ子は本当は楽団の公演を続けなければならなかったが、愛助を1人残して地方に出かけることなどありえないと思った。
山下から持ち込まれた慰問のイベントも断るように発言。
マネージャーの山下が優秀だなと思ったのはスズ子の申し入れに対して全面的に従う素振りを見せたこと。
あくまでも歌手福来スズ子の意向が最優先されることをきちんと認識していた。
もちろん楽団の経営は大変なのは言うまでもないが、嫌々やる仕事で良いステージが務まるはずもなく。
スズ子の希望が全て受け入れられた形になる。
防空壕で導かれた未来
この頃の日本、とりわけ東京などは既に空の防衛システムは破綻していた。
爆撃機を迎え撃つことができない。
アメリカもよく知っていて、容赦ない絨毯爆撃を繰り返すことになる。
無抵抗な国民は空襲警報が出るたびに防空壕に避難しなければならない。
超描かれたのはそんな防空壕での様子。
エピソードの中で、泣き止まない赤ん坊で険悪になった防空壕に避難した人たちのためにスズ子がアカペラで「アイレ可愛いや」を歌うシーン。
前にもブログで紹介したが、歌手にとって1番やりたくない仕事がアカペラで歌うことだろう。
伴奏も何もなく、音響の設備も全く関係ない。
そんな状況でどれだけのパフォーマンスをしようが、歌手の実力のみが頼り。
このドラマの優れた点は主役を演じている
趣里のアカペラでの歌唱。
役者だからこそできるのかもしれない。
歌手ならおそらく嫌がると思う。
以前にも書いたけど、上等なミュージカルを見ているような気さえした。
愛助はスズ子の歌の持つ類稀な力に気がついていた。
スズ子の歌は聞く者に元気を与える。
スズ子の歌を聞けばみんな元気が湧いてきて思わず笑顔になる。
そして、スズ子も自分の持つ尊い力に気がつくのだ。
再び公演活動を再開するに至る。
今年の放送はここまで。
年明けからは物語の新たな展開が描かれるが、スズ子や愛助だけでなく、その他の人たちにも過酷な運命が襲いかかる。