東大の植物学教室で助手として働くことになった万太郎。
幕末の頃に生まれた万太郎もそれなりのいい年になったと言える。
時代設定は明治27年。
この時、日本は日清戦争で勝利して台湾を割譲して国土としている。
明治初期から取り組んでいた富国強兵政策は、ここへきて着実に成果を上げつつあった。
そんな中、植物学教室の仲間たちにも大きな変化が。
大窪助教授は非職されて大学を去ることになった。
万太郎と大窪のやりとりは、不思議な安心感があったかも。
この時代着実に力を増しつつあったのが海軍と陸軍。
国家を代表する組織の軍部は経済界とも政界とも強い結びつきがあったはず。
寿恵子が働く巳佐登は連日軍関係者の宴会で大きく盛り上がっていた。
中居をはじめ、料亭そのものも芸者を招きいれながら大いに賑わっていたようだ。
仕事にもすっかり慣れていた寿恵子は持ち前の明るい性格、そして馬琴の里見八犬伝の講談風の話術は密かな人気を博していたような。
宴会には芸者がつきものだが、芸者は料亭が依頼をしてきていただくもの。
芸者の確保は料亭の力量が試される場面でもあったようだ。
そして、新たに勝上した台湾について、日本政府は、学術調査団を派遣することに。
万太郎は調査団のメンバーに選ばれることになった。
目次
植物学教室の今後
ドイツから帰ってきた細田。
彼が助教授になることで大窪は非職。
確かに、わずかな力関係で人事異動が決まってしまう場合が多い。
大窪がこれからどこで仕事をするのかは物語では語られていなかった。
ただ、今日のエピソードの冒頭で描かれていた万太郎と大窪のやりとりは大窪らしい不思議な親近感が醸し出されていたね。
特に、最後のほうの
そうやってずっと勘違いしてろ
バ〜カ😤
この部分に万太郎と大窪のふしぎな絆が感じられた。
この2人は、共同研究で論文も発表しているので、連帯感は間違いなくあるはず。
社交的な万太郎に対して大窪はかなり不器用にも見えるところがユニーク。
これからの植物学教室がどんなふうに進んでいくかしっかり語られていたと思う。
徳永教授
今までの田邊教授色を排斥することで、後釜に収まった徳永。
助教授時代は、随分といじめられていた部分もあったはず。
物語のモデル、牧野富太郎博士と徳永教授のモデル松村任三はどうやら特別な関係だったかも。
それは、お互い反発し合うという点で。
らんまんで今描かれている物語も、この写真の年代ではないかと思われる。
明治の中頃だと思われるが松村さんは結構歳いってたんだなと思う。
巳佐登での寿恵子
巳佐登は軍関係者の宴会が毎日開催され、店もかなり繁盛していたものと描かれた。
料亭なので食事中は大抵芸者を読んで、華やかに楽しむのがお決まりのコース。
しかしあちこちの料亭で芸者を呼ぼうとしても、当然のことながらスケジュールはかち合うことになる。
そこで、料亭の交渉力がものを言うわけで。
巳佐登は女将のみえの采配もあって、他の店ではダメでも巳佐登なら何とかなるとの評判があったようだ。
さらに巳佐登の名物の1つは中居の寿恵子が講談風に語る英雄の物語。
これがどうやらとても人気があったようで。
芸者が宴会に間に合わない場合、寿恵子の話術で宴会を盛り上げる。
それはどうやら名物にもなっていたような。
そして寿恵子はおひねりもたくさんもらえることになる。
ドラマの中でも描かれていたけど、いただいたチップはポチ袋に入っていて、中身がどれほどの金額なのか気になるところ。
おそらく今のレートで数千円程度かなと想像するけど。
欧米諸国では、ホテルなどのサービスにはチップがつきもの。
日本ではそういった事はほとんどない。
この時代、日本は日清戦争に勝利して台湾を割譲された。
外交上の様々なやりとりを議論する意味でも、料亭は社交場として力を発揮していたようだ。
台湾学術調査団
万太郎が植物学教室の助手になったとしても、今までと仕事の内容が変わるわけではない。
植物学の主流は、今や顕微鏡を覗いた世界についての議論。
最近でこそ分子生物学なる学問があるが、そのきっかけとなるのはこの頃から始まっていたのかもしれない。
新しく割譲された台湾は、様々な分野で調査が必要になった。
物語の中で描かれていたが、台湾の植物に関する研究で調査員に万太郎を推薦していたのは、どうやら岩崎弥之助。
寿恵子に旦那は元気か?と尋ねていて、植物学の専門家である事は承知していたようだ。
ノジギクの件があったことで、それなりの知名度が上がったと思われる。
明日以降はここから物語が膨らんでいくものと思う。
陸軍大佐の恩田さんともどんなやりとりが繰り広げられるんだろうか。
そして、万太郎は台湾に渡ることになるのかどうか。
今日の最後の場面には、里中先生も登場していた。
どうやら、万太郎に白羽の矢が立った事は間違いなさそう