らんまんの物語は残すところ、15回。
もう泣いても笑ってもと言うレベルに入ってきた。
万太郎は植物図鑑の完成が間近となった。
様々なネットワークを駆使して集められた標本は、日本全国を網羅しつつある。
そこでわいた一抹の不安。
自分の作った植物図鑑が果たして大勢の人に支持されるかどうか。
もしも時間をかけただけで済ますならそれは自己満足でしかない。
万太郎が目指すべき植物図鑑は、誰からも愛され誰からも支持されるものが望ましい。
そんな中、同時進行で語られたのは渋谷にできた待合茶屋ヤマモモ。
そこは、ひなびた場所ながらツウが足を運ぶ店として密かな人気を博していた。
日本を背負って立つような経済人を始め、大勢の人がこの場所での歓談を。
寿恵子は彼女自身の持ち前のネットワークを駆使し、さらには巧みな話術とお客さんの希望に応える技術力でヤマモモをさらに発展させるような気配。
寿恵子はここへきて、彼女の本来の実力を遺憾なく発揮し始めている。
特に、客の希望に余すことなく応えられる店の持ち味は誰もが重宝がっていた。
そして先週から登場してきた新たなメンバーがやはり活躍の場を与えられている。
描かれたストーリーで、この当時の経済人たちの腹の中もそれなりに披露されていたと思う。
特に鉄道を敷設する話など、まちづくりの根幹に関わる計画について。
最初に鉄道を引いてから、街が出来上がっていくのではなく、まず街を作っておいて後から鉄道をと言う話は、逆転の発想でかなりユニークだったかもしれない。
万太郎は自分のために頑張ってくれる寿恵子にどう応えるべきか改めて考えることになった。
目次
万太郎が抱く不安
万太郎は自分のやっている仕事に自分なりの納得感は得られていた。
しかし、いざ自分の植物図鑑が完成する近くになって、様々なことを考えてみると、ひょっとしたら、ただの自己満足なのではと言い知れぬ不安に駆られる。
これからの日本にはぜひとも必要な学問で、ぜひとも必要な情報として残さなければならない。
それは譲ることのできない間違いのない事実には違いない。
ここへきて未だ版元は見つからず、自費出版が万太郎の限界とも思われた。
もし、誰からも認められることがなかったなら、それはただの自己満足にしか過ぎないかもしれない。
万太郎には、周りで大勢の人たちが助けてくれるかけがえのないコミュニケーションがあった。
そのことを思うと、自己満足するままでは到底納得できないことだと強く自分を責めてしまう。
虎鉄とのやりとりがとても切なく描かれていた。
万太郎は、周りの人たちに感謝の気持ちを伝えることしかできなかったのだ。
寿恵子のヤマモモ
寿恵子が開いたヤマモモはツウの間では、隠れ家的存在だったようだ。
ここは渋谷なので、かなりの田舎でしかも裏路地となれば人目もほとんどない。
ひそひそ話をするには、もってこいの場所。
さらには、お客さんのわがままが聞いてもらえるのも大きな特徴。
食べたいものを指定すれば希望通りの料理が出てくる。
これは寿恵子のネットワークに他ならない。
新橋の巳佐登も同業者としてヤマモモを高く評価していたようだ。
巳佐登で働いていた中居を寿恵子の助手として派遣してくれた。
寿恵子にしてみれば、渡りに船でありがたい話。
求めに応えられる力
どうやらヤマモモのスタッフは先週最後に招かれていたご近所さん達のようだ。
御用聞きをするものや、実際に包丁握って料理をこしらえるもの。
特に料理を作る荒谷は凄腕の料理人の設定。
どうやら彼の作る料理は絶品なようで、リクエストにすぐに応えられるのも大きな特徴の1つ。
今日のやり取りの中で話していた内容だと、うなぎ料理とか天ぷらとかも出てきそうな雰囲気だった。
果たして、そこまでの場面を描くだけの時間があればだけど。
広がる夢
後の日本を牽引するような経済人たちが集まっていたと思われる。
今日語られた物語では、鉄道事業について相談する様子が語られていた。
おそらく誰かモデルのいる話だろうと思う。
物語の設定は明治30年頃で、この頃から私鉄線の話も出てくるものと思われる。
鉄道は日本で初めては明治5年の新橋と横浜の間に走ったものが記録に残る。
それ以降徐々に路線は増えることになる。
とても夢のある話で、日本の未来も物語の中に微妙にリンクしつつ物語は展開していく。