どんどん進んできた物語は、いよいよ確信部分に到達。
スズ子が恋に落ちる若き青年との出会いが描かれる。
モデルとなった笠置シズ子の人生そのままに自分よりもはるかに年下の学生との出会い。
物語は昭和18年6月5日と設定されていた。
その日は当時の日本の軍隊のトップ山本五十六の国葬の日でもあった。
福来スズ子とその楽団は、発足当時と同様地方巡業に忙しい日々を送っていた。
もちろんギリギリのお金でかろうじて交通費が出る程度。
しかし人気は上々、行く先々で大歓迎を受けた様子を詳しく描いていたね。
楽団のメンバーはスズ子を含めた5人。
描かれた様子を見る限り、学芸会にほんの少し毛が生えた程度。
当時行われていた彼らの巡業の様子が忍ばれる。
特に実際に歌を歌っている本人が目の前にやってくる事は、ファンにとってはとてつもなく嬉しいことだったようだ。
それは今のアイドル全盛の今でも全く同じことが行われていて当時からの歴史と思う。
よく言われるサイン会とか握手会とか若い女性のグループなどアイドルたちはそういったイベントへの参加が日常的に行われている。
さらにはスズ子たち学団員は愛知の宿でちょっとしたアクシデントに見舞われることになる。
そしてたまたま居合わせたのが大阪出身で東京の大学に通う2年生の青年。
村山愛助
ついに物語には大きなうねりが押し寄せる。
目次
地方巡業の日々
最近の様子はわからないが、私が子供だった昭和30年代は様々な演劇集団が地方を回って歩いていたように思う。
お祭りなどがあればそこには出店も出て簡単な舞台が設えられて、そこで歌を歌ったり踊りなどを披露したり、また簡単な劇も上演されていたように記憶する。
今は温泉旅館など古くから伝わる宿泊施設などで同様のことが行われているかもしれない。
この当時、物語の中でも語られていたが、田舎の人たちは娯楽と呼べるものがほとんどない。
このように著名な歌手がわざわざ出向いてくれるのはかなり嬉しい出来事だったに違いないのだ。
スズ子の楽団は人気があるらしく、あちこちでオファーがあったようだ。
ただし、報酬のほうはほとんど期待できなかったようでもある。
昭和18年6月5日のご時世
この頃は、太平洋戦争が始まってからちょうど1年半が経過。
真珠湾攻撃の立案者、山本五十六はフィリピン上空を移動中にアメリカの戦闘機に撃墜されて戦死する。
様々な情報が出回っているので知っている人も多いと思うが、この時日本軍は致命的な弱点を持っていた。
と言うのも日本軍が使用していた暗号文はアメリカに筒抜けだった。
日本軍の作戦行動はことごとくばれていたので、行動を起こそうとすれば必ず裏をかかれるような事態に陥っていたと言える。
そして最も残念な事は、日本軍がそのことを全く気づかずにいた。
山本五十六の戦地巡礼はアメリカに筒抜けだったので、簡単に撃墜されるに至ってしまったようだ。
物語の設定では、国葬の日が6月5日と発表されていた。
戦争なので、人が死ぬのはほぼ当たり前のことだが、それにしても、日本国内はあまりにも大勢の人が亡くなってしまった。
およそ310万人が犠牲になったとされる。
福来スズ子の評判
地方授業でスズ子が真っ先にみんなの注目を集めることになる。
実物を見た人たちは皆、口々に小さい!
確かに、当時の正確な情報は伝わらないが、笠置シズ子は身長150cmほどだったらしい。
ついでに調べてみたところが淡谷のり子も身長150cm。
この頃の女王2人はかなり小柄だったんだろう。
今日のエピソードの中で紹介されていた「アイレ可愛や」の音源は趣里のもの。
せっかくなので、ご本家のも紹介しておきたい。
聞いてみると、笠置シズ子の実力の片鱗がうかがえる。
小夜ちゃん お金をなくす!
福来スズ子の楽団ではスズ子の付き人も存在する。
小林小夜
物語の中では、彼女が仕事の一環として会計なども任されるようになったとあった。
早速宿代を払おうとしたところ、お金が財布からなくなっていると言う。
どこかで勘違いしたんだろうけど、こともあろうにたまたまその場に居合わせた村山青年に責任転嫁してしまう。
そこでスズ子がピシャリ。
いい加減にしなさい😡
お金がなくなった事は一大事だが、それを証拠もなく誰かのせいにする事は絶対に間違い。
楽団の座長としての威厳を示したような感じ。
青年は、村山愛助と言ってスズ子と同じ大阪出身と語っていた。
既に公式発表でわかっていることだが、スズ子の大ファンとの事。
今日の段階ではまだスズ子自身はそれほどの恋心を抱いているようには見えなかった。
ただ、スズ子は弟の六郎と被っていたかもしれない。
スズ子の意味深なセリフが記憶に残る。
弟に似ているような気がする。
全然似てへんのに😟
物語の流れからしてこの先親密になる2人には大変な運命が訪れることになる。
そして、これからさらに新たな登場人物も物語に加わることになるのだろう。
いよいよ物語は目が離せなくなってきたと思う。