今日から始まるエピソードで、本来の役者たちが演じることになる
大河ドラマ光る君へ
注目すべきは、なんといっても主人公のまひろだろう
物語の中で繰り返し語られていたが、6年前目の前で母親を殺されてしまった事は彼女にとってのトラウマだと言える。
6年たってもまひろの心が晴れる事はなく、父親とは簡単に打ち解けられずにいた。
もう1人の物語の主要人物藤原道長は父親や兄の活躍に比べれば目立たない存在だったかもしれない。
まひろは成人の儀式が終わった後、内緒で代筆業を請け負っていた。
彼女に備わった文才は人に請われるがままに、和歌を読むことを得意としたようだ。
紫式部が若い頃このようなことをしていたとは史実には伝わってはいないはず。
脚本家のオリジナルだと思うが、平安の物語を描くときには興味深い語り口になっていたと思う。
特に彼女の父親がその時代の東宮(今でいう皇太子)の教育係を務めていたことがまひろの文学的才能を深めることに貢献していたようにも思う。
まひろの弟 藤原惟規(ただのり)は姉とは違って学問が得意ではない。
父親の心配をよそに、弟は姉に甘えた声で話しかける。
平安京は名前とは裏腹に天皇を中心とした官僚世界。
様々な勢力が自分の力を鼓舞するために虎視眈々と様々な策謀を繰り広げていた。
目次
まひろの代筆業
物語の中で描かれたまひろは成人の儀式がちょうど済んだところ。
父親が弟に学問を伝授しているのだが、弟がさっぱり上達しないのに対し、まひろは男顔負けの優れた学問的素養を示していた。
父親にしてみれば、弟と姉が入れ替わればと思ったに違いない。
しかし、まひろはかつて目の前で自分の母親を藤原道隆に差し殺された筆舌に尽くしがたい経験を。
手前に見える女の子が幼い頃のまひろ。
先週のエピソードでは父親は、「母親は病気で亡くなったことにする」と言い放っていたね。
そのことに激しく抵抗するまひろ。
目の前で母親は殺された。
その現実を揉み消すなんて😫
父親と娘の関係がぎくしゃくする理由はこの時にしっかり語られていたと思う。
まひろは文学的才能を発揮できる場所を、苦しい過去を忘れるために探していたとも取れる。
物語は文学的才能に溢れるまひろがこの後、源氏物語の作者になることを見事に伏線として貼ってある。
父と弟
この時代の天皇は、第64代の円融天皇
今日登場した東宮は65代花山天皇
そして、まだ物語には出てこないが、66代天皇の妃となるのが藤原道長の長女と言うことになるだろうか。
それぞれの人間関係はその裏に暗躍する様々な勢力の象徴とも言うべき存在。
平安京とは名ばかりで、その実は様々な陰謀や策謀が渦巻いていたようだ。
藤原道長の家系
藤原道長は、藤原氏の名門の生まれ。
父親は、右大臣藤原兼家。
道長は三男として生まれていた。
この家の次男が実はまひろの母親を差し殺しているのだ。
この人間関係は史実が正確でないこともあって、脚本家の筆力の見せるところでもある。
貴族といえども、男子は武芸に秀でたものがもてはやされることになる。
今日描かれたストーリーの展開だと、藤原道長が後の朝廷のトップになるところまではとても想像できない。
本人にそれほどの野心がありそうにも見えないし、周りがあまりにも欲望むき出しな存在ばかりで道長に出番が回ってくるような雰囲気ではない。
天皇を前にして皆、自分の欲望をむき出しに。
天皇が支配者であることには違いない。
しかし、その天皇の身分も側近がどのようにサポートするかで必ずしも絶対な地位とは呼べなかった。
場合によっては、退位を要求されたり思いがけなく即位したり自分の力で何かができるとはならなかったようだ。
まひろの願い
まひろは藤原道長と子供の頃以来の再会を果たすことになる。
子供の頃の呼び名は三郎
本当は再び会うことを約束した2人だったが、まひろが約束を破る形で再会を果たせなかった。
会う約束をした日、まひろは母親を差し殺される事件に遭遇する。
今日も語っていたが、当時の事は自分でも思い出したくないと。
物語の中では、道長のすぐ上の兄がまひろの母親ちやはを殺害したことになっているが、
この事は、後々この2人が事実として知ることになるんだろうか。
物語のこの後の展開がどんなものになるのか興味は尽きない。
今日描かれた最後のエピソードでは、絵師の元へ急ぐまひろの目の前で道長が誤って囚われの身となってしまう。
このまま来週どんな続きになるのか。
天皇を中心とした平安京だったが、内実は驚くほどドロドロとした人間関係で塗り固められていた。
物語はそのような人の心のヒダを描きつつ、次々と新たな展開が待ち受けることになる。